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前檣
「前檣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前檣の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
、ガラガラと轆轤に銛綱が繰られて、仔鯨がポッカリ水の上へ浮上った。するとこの時、
前檣の見張台にいた男が、手を振ってなにやら喚き出した。近づく隼丸に気づいたのだ。....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
隊は、古くからある捕鯨港のサレムで勢揃いをし、五月十九日の朝乗船「発見」号には、
前檣たかく出航旗がひるがえる。いよいよ、極北の神秘「冥路の国」へ。 ニュー・フ....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
あげていた。ポルトガルの海岸線を右に見て、一路ビスケイのまっただ中へさしかかる。
前檣《ぜんしょう》に見張りが立っていたが、空は、風に飛ぶ層雲が低く垂れて、海との....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
体の丸い長谷部大尉が川上機関大尉の肩をたたいて哄笑した。 丁度そのときだった。
前檣楼の下の桁に、するすると信号旗があがった。下では当直の大きな叫声! 「右舷寄....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
だか明るい光がぱっと射して来た。見上げると、月が昇っていて、後檣の頂を銀色にし、
前檣帆の前縁に白く輝いているのだった。そして、それとほとんど同時に、見張りの者の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
そこへ激しい彼岸嵐に襲われて、左舷《さげん》の船嘴《せんし》と一舷窓とがこわれ、
前檣《ぜんしょう》の索棒が損《いた》んだ。そしてそれらの損所のためにまたツーロン....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
というのである。時あたかも季節の終わりで、長い夜が再びあらわれ始めて来た。けさ、
前檣下桁の真上にまたまた星を見た。これは五月の初め以来最初のことである。 船員....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
テーブル湾を去って五日ほど過ぎ、風なぎて船脚きわめて遅くなりし夕暮、余は甲板上の
前檣にもたれて四方を見渡すに、眼に入るかぎり船もなく島もなく、ただ気味悪きほどの....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
おさないときに船のボーイであったので、これも船のことにはなれている。 ふたりは
前檣の下へきて、その破損の個所をあらためてみると、帆は上方のなわが断れているが、....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
はいまにも火を吹きそうな恰好でぐっと砲口を天に向け、霧の流《ながれ》につつまれた
前檣《まえほばしら》の櫓《やぐら》は、見るからに堂々としていかめしい。 「前進!....
「歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
ていたが、 「北からブリグ型の帆船がくるぜ。石炭船かしら。」望遠鏡をのぞいて、「
前檣の上段トプスルの両がわに新しいカンヴァスを使っている。」 「トライスルには、....