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「前知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を伏せて黙っていた。 「そりゃ銘々の勝手じゃで、わしらの構うたことではないが、お前知っていやるか。この頃の藻の様子がどうも日頃とは違うている。現にこのあいだの夜....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
は女房に貰う積りでございます」 勇「飛んでもない事をいう、毎晩来る女は幽霊だがお前知らないのだ、死んだと思ったなら猶更幽霊に違いない、其のマア女が糸のように痩せ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
で》に、あの女も小使夫婦も見張っている。赤見沢たちの犯行は、例の臼井という若僧や前知事の目賀野が出て来れば分ると思うんだが、どういうわけか彼等は姿を見せん。それ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
げにスポンと被って、腕組をずばりとしながら、 「何かい、……この老人を、お町、お前知っとるかい。」 「はい。」 と云うのが含み声、優しく爽に聞えたが、ちと覚束....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
であるが)については、くわしく記すつもりはない。私はただ懲罰が自分に近づいてきた前知らせと、それが一歩一歩せまってきた順序とを指摘するだけに止めるつもりである。....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
清人ときくと彼の顔は暗く変つた。 「最上清人。その人の奥さんか」 「あら、その名前知つてる?」 「知つてる。尊敬してゐた。僕は高等学校の生徒だつた。エピキュロス....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
よ。……だが俺らだけは知っている」 「え?」と、「爺つあん」は眼を丸くした。「お前知っているって? 紫錦の行衛を?」 こう云う「爺つあん」の声の中には恐ろしい....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
と、赤井もびっくりしたような声を出した。 「渡すのを忘れたんだ。君、あの人の名前知ってる?」 「いや、知らん。あんたが知らんもん、俺が知る道理がないやろ」 「....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
た。女はとうとう小田島の鞄の蓋をはね、中を引繰り返した。そして小田島が巴里を発つ前知人から贈られた缶入りのカキモチを見付けてカリカリ噛み始めた。 ――米のビスケ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
の姫君様といったような方がいらっしゃる、いやに澄してさ、高慢な風じゃあないか、お前知ってるかい、何が合点さ、」と言いかけて打微笑み、 「何にも分らない癖に、おも....
妖怪学」より 著者:井上円了
く感知するを得るなり。ゆえに、これ決して怪しむべきことにあらず。その他、肺病等を前知すること往々これありという。また、手を胸上に置き、もしくは夜具等にて喉部を圧....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
て見やすきものでありまするが、少しく高尚にわたって知れ難いのは、人間の吉凶禍福を前知することであります。 これには第一、天文が関係を有しておる。天文と人事が関....
迷信解」より 著者:井上円了
けとなるまでじゃ。そのことは格別説明するに及ばぬことと思う。 人事の吉凶禍福を前知する法は東西ともに行わるるも、シナ、日本にことに多いように思わる。その中にて....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
思うて居る事またこれはどういう人であるということを見分けもし、大騒動の起ることを前知して人に知らしてくれる事も沢山あった。この間も既にこれこれであったと色々面白....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ますから大概の事は存じて居ります」 客「それじゃア吉原町は以前は何処に在ったか手前知ってるか、昔慶長年中の相州の浪人で莊司甚右衞門というものが願って、遊女三千人....