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「前科〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前科の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
競馬」より 著者:織田作之助
》はA中の父兄会の役員だったのだ。寺田は素行不良の理由で免職になったことをまるで前科者になってしまったように考え、もはや社会に容《い》れられぬ人間になった気持で....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、六蔵ももう恐れ入るよりほかはなかった。 お糸は吟味中に牢死した。六蔵は入墨の前科者だけに罪が重く、悪人と共謀して主人の娘を牢獄同様のところに押し籠めて置いた....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
徴を見事ふりおとして、身体中が隙だらけであるかのように見えた。もし彼に怨恨のある前科者どもが、短刀|逆手に現われたとしたらどうするだろうと、私は気になって仕方が....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
う押しも押されもせぬ最大の、何んと言いますか……記録保持者? として、H機関庫に前科者の覇権を握っていると言う、なかなかやかましい代物です。 ところでここにも....
自叙伝」より 著者:大杉栄
すぐにどこかの連隊で下士官でもやっていたのかなと思った。 「先生、親爺の名と僕の前科何犯とをくらべて見て、驚いてるんだな。」 僕はそう思いながら、返事のかわり....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
ある。さっきからしきりに、みんなに、君は幾カ月、君は幾カ月と刑の宣告をしている、前科幾犯面の奴だ。 「あ、まあそんなものだね。」 といい加減にあしらってやると....
獄中記」より 著者:大杉栄
市ヶ谷の巻前科割り 東京監獄の未決監に「前科割り」というあだ名の老看守がいる。 被告人....
」より 著者:海野十三
は、御在宅かネ」 「ホーラ、誰か来た」というので、まず立ち上って狼狽を始めたのは前科四犯の真々川化助だった。彼はグッタリしている松吉を助け起してその胸ぐらを一と....
この握りめし」より 著者:岸田国士
、お蔭さんでせつかく枕を高うして寝られるのに……」 この和島佐五郎という男は、前科こそないけれども、札つきのいかさま師で、政治と賭け事がなによりも性に合うと自....
岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
思いがするのである。 彼は、悔みに駈けつけた私に向つて、――「とうとう、おれは前科二犯になつたよ」と、やゝ厳粛に、しかし、仲間同志の内証話という調子で言つた。....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
人の末弟に当る男であった。彼は若い時分から、すこぶる道楽に身を崩し、詐偽のための前科もある三百代言であった。それに連る男女の一群は、いわずと知れた親族と称する実....
実感」より 著者:織田作之助
た。 所が、男は一年たたぬうちに再び投獄された。が、主義のためではない。きけば前科八犯の博徒で入獄するたびに同房に思想犯が膝をかかえて鉛のように坐っていたのだ....
耳香水」より 著者:大倉燁子
おいて、未亡人倶楽部に出入する人達をちょっと調べてみましたところが、お客の中には前科者や、容疑者達の恋を漁りに来ている者が大分あったのには驚かされました。昨年処....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
うか、私、補助罪になりやしないかと思って――」 「現行犯でなければ大丈夫さ。尤も前科があれば別だけれど――、とにかくそれほどの女だ、心配はないよ。――そして、何....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
一人の刑事は女の身許を洗って来て、司法主任へ報告した。 「岩下ハナ、二十七歳、前科があります。窃盗犯で、出所したばかりです」 「連れの男は亭主か?」 「いいえ....