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「前篇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前篇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
を胸に組んで、じっと西洋机《デスク》の前へ坐っていた。 (以上を以て「路上」の前篇を終るものとす。後篇は他日を期する事とすべし。) (大正八年七月)....
婦系図」より 著者:泉鏡花
その頭脳は明に、その眼は輝いたのである。 早瀬は潔く云々以下、二十一行抹消。――前篇後篇を通じその意味にて御覧を願う。はじめ新聞に連載の時、この二十一行なし。後....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
しまったのである。 さてここで、鐘鳴器室の概景を説明しておく必要があると思う。前篇にも述べたとおり、その室は礼拝堂の円蓋に接していて、振鐘のある尖塔の最下部に....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
かなる権謀を逞しゅうしたか十分お分りの筈である。 彼の受縛を境としてこの物語の前篇は尽きる。これより後に現われる訊問より断罪に至る中篇は、後篇に当る彼の執念の....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
い」 野村はそれを見送って、電灯をパチンと捻って、送られた遺書を読み始めた。(前篇終り) 五 重明から送られた遺書は、一、二、三と三部に....
読書法」より 著者:戸坂潤
ついては、今の処、こういう書き方の方が、科学的に慎重だとさえ云えるかも知れない。前篇「自然弁証法史」と後篇「自然弁証法概論」とからなり、前篇は主としてAと名乗る....
仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
》された奥州佐久間の孝女お竹なる者が生仏として霊験をあらわすという談《はなし》を前篇四冊後篇三冊に編んだもので、三馬としては当て込みを狙ったちょっと得意の作であ....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
ったなら、歩きにくる事にしよう。 続大阪を歩く 歩く準備 「大阪を歩く」前篇は、いい評判であったらしい。 (本紙の社長、前田氏は、よかったよ、と、云って....
軍用鼠」より 著者:海野十三
かった。 梅野十伍はこう書き終って大長息した。これで一と通りのフェアさをもって前篇の謎を解いた。しかし読者は、これだけの解決では、きっと満足しないだろうと思っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た裏宿の七兵衛は、安達ヶ原より、もっと奥の奥州の平野の中へ陥没してしまったことは前篇の通りです。 無人の平野大海の中へ陥没した人間を探ることは、ちょっと手のつ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
まず後者から初める事にした。これには朱子の正篇の外に宋元及明史の綱目もあり、また前篇というもある。それに朱子が春秋に傚《なら》って書いたという事につき、『書法』....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
その作意の力には毎度ながら敬服して居ります。師匠は皆様が御存じの通り、業平文治は前篇だけしか世に公にいたしませぬが、その当時|私は後の文治の筋々を親しく小耳に挟....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
て揚子江にそそぐに至ったが、この日本軍の治水事業を宣伝映画にしようというわけだ。前篇、後篇に分れていて、後篇がこの宣伝映画であるが、前篇は純然たる文化映画で、黄....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
今村信雄君にも忰分啓夫にも勧められていたのが、今日やっとこうしてここに完結した。前篇を書いてから、いつしか五年の歳月が閲《けみ》している。 その五年間にも、芸....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
でも言うべき説の成立によって、一層決定的なものとなって来ている。それは、戦争中に前篇を出された小島吉雄博士の『新古今和歌集の研究』続篇(昭和二十二年・星野書店)....