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前腕
「前腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
)ほほう。これわしにくれるか。 刑吏の長 手をゆるめてやり! (刑吏一、甚兵衛の
前腕だけを自由にする) 甚兵衛 ほほう、わしゃ、こなな白い飯生まれて初めてじゃ。....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
すがもっと科学的に、頭蓋の大きさや長さを人類学的に調べた。そして指を延ばした手と
前腕との長さまでも計った。写真も、横向きになって椅子に坐るとその椅子が自然に廻転....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
り声を立てた。痛みが去ると、ぐったりしながらも、手足がだるくて堪らないと訴えた。
前腕と足の腓腸部《ふくらつばみ》とを、始終さすってやらなければならなかった。そし....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
外の闇と明るい電燈の光とを、重苦しい眼でちらと見やってから、卓子の上に組んだ両の
前腕に頭をもたせた。凡てが駄目だ! という気がした。沢子が暫く傍につっ立っていた....
「変な男」より 著者:豊島与志雄
伏せられるように其処に坐った。辰代は澄子の着物を、片手を差伸して引寄せ、それから
前腕に抱え取った。その威猛高な立像の前に、今井は頭を垂れて、一語一語に力をこめな....
「土地」より 著者:豊島与志雄
ってええ。一降りざあーっと来なくちゃあ、暑くてとてもやりきんねえ。」 額の汗を
前腕の袖で拭きながら、彼は親父の方をじろりと見やった。 「仕事が後れるじゃねえか....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
彼女の手を離さず、真心からのやさしい力を掌にこめ、そのまま身体をずらして、彼女の
前腕の上に顔を伏せ、しみじみと涙ぐんだ。長い時間がたった。 「村尾さん……。」 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は間歇的《かんけつてき》になり、わずかな残喘《ざんぜん》にも途切らされた。もはや
前腕の位置を変えるのも容易でなくなり、両足はまったく動かなくなり、そして手足のみ....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
して悲しいんです。」 また顔を伏せてしまう。 沖繩生れの遼子が出て来て、彼の
前腕に、かるく手先を添える。和服の襟をきりっと合せ、首を真直に、すらりとした立ち....
「高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
くと、菊千代は階段を駆け上ってゆきました。 息を切らして、挨拶もせず、卓上に両
前腕をついて、眼をつぶりました。 僅かな埋め火の炬燵に足を差し入れたまま檜山は....
「二重人格者」より 著者:小酒井不木
は届かなかった。と、患者は憤慨して、右手でナイフを握るなり、あッと言う間に、左の
前腕を切り捨てたのである。 看護人は驚いて急を鬼頭博士に告げた。 博士はとり....