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前芸
「前芸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前芸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
りますと、五月十五日にお客があるから女房のお村を働きに貸してくれとの頼みです。以
前芸妓だそうで定めて座の取廻わしも好かろう、当家には三味線《さみせん》がないから....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ったく大変だわ」と、茶碗に水を汲んで来た他の若い女が言った。「あたし達は、ほんの
前芸《まえげい》ですもの」 「
前芸でたくさんだよ、この頃は……。ほんとうの芸当は....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
長々と手を伸ばして、据眼で首を振って、チョ、舌鼓を打って、 「待ちな待ちな。大夫
前芸と仕って、一ツ滝の水を走らせる、」 とふいと立って、 「鷲尾の三郎案内致せ....
「妖術」より 著者:泉鏡花
く。 「ちょいと嬰児さんにおなり遊ばせ。」 思懸けない、その御礼までに、一つ手
前芸を御覧に入れる。 「お笑い遊ばしちゃ、厭ですよ。」と云う。 「これは拝見!」....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃ》が出るか、俺とお前の初《はつ》のお目見得《めみえ》にはいい腕比べだ、天竜寺の
前芸《まえげい》にひとつこなしてみようじゃねえか」 「そいつもよかろう」 「それ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、辺境のものは気が狭い。貴方が余り目覚しい人気ゆえに、恥入るか、もの嫉みをして、
前芸をちょっと遣った。……さて時に承わるが太夫、貴女はそれだけの御身分、それだけ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》いっぱいになった見物人の方をながめて、 「たいへん人が入っている」 この時の
前芸は駒廻しで、その次が足芸。 紋附を着て袴を穿《は》いて襷《たすき》をかけた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
由と快活の気風を起させる。 さて、また演技の番組に就いては、厳密にいえば、その
前芸は、奇術とか、魔法とかいうよりも、一種の西洋式の軽業といった方が当っている。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けのことなら、こっちにとっては朝飯前と言いたいが、夜食の腹ごなしに、持って来いの
前芸だ――今夜は一番、それをやっつけよう。 七兵衛としては、この際、別段に路用....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
附をわたし、あなたのためにうたってあげるわよ」 そうして、鶯《うぐいす》の鳴く
前芸のように咽喉をしめて、何か本格の芸事をはじめようと構えた時に、兵馬が、別の方....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ひとり歯ぎしりをして帰りました。わたしがやっていた時分には、軽業や力持はほんの
前芸にしておいて、真打《しんう》ちには、人の思いもつかないものを買い込んで、仲間....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も》を冷して遠退いたのは無理もありません。縁日で歯磨を売る香具師《やし》が、その
前芸をやるために、あまり見物を近くへ寄せまいとして地面へ筋を引いて廻るのを、ここ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いことを!」 島野は今更のように多磨太の豪傑|面を瞻った。 「何に其等はほんの
前芸じゃわい。一体何じゃぞ、手下どもにも言って聞かせるが、野郎と女と両方夢中にな....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ンスにて火を灯し、草と砂糖を調じて鉱山用のドンドロを合せたなどは、ほんの人寄せの
前芸に過ぎない。その技工の妙を伝聞して、当時の藩主の命じて刻ましめた、美しき小人....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
一つだけ。」 で、硝子盃から猪口へ通わせる。何を通わせるんだか、さながら手品の
前芸です。酔方をお察し下さい。 「ご勘定、いいんですよ。」 「よくはありません。....