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前身
「前身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ならやま》夫人の醜聞《スカンダアル》を面白く話して聞かせ始めました。何でも夫人の
前身は神戸あたりの洋妾《らしゃめん》だと云う事、一時は三遊亭円暁《さんゆうていえ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
恒星もまず一番熱いもの(すなわち、輝線スペクトルを示すもの、従って、こういう星の
前身と想像されるガス状星雲に最も近似したもの)から始めて、最後には既に消えかかっ....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
で何だか女の啜り泣くような声が一と声|二た声したような気がした。ハッとして思わず
前身を曲げて聞き耳を立てたところへ、手間どった丘田医師が洋服に着換えてヌッと出て....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
こで妾は彼女の素性を訊ねたが、あの娘は二年ほど前に突然一座に転げこんで来たので、
前身は知らないと老人は答えた。またそのお八重が申年かどうかも知らなかった。 妾....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ょっとうかがうが、今の話のようなことで海底超人が生まれたとすると、その海底超人の
前身は、いったい何であったのか。やはり人類であったか、それともタコであったか」 ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
でもない色気を出したり、言うことだって何をいっているか分ったもんじゃないし、その
前身だって洗ってみる必要があるよ」 「三津子さんはピストル関係者ではないのかね」....
「獏鸚」より 著者:海野十三
と断定したものらしい。僕も戸沢氏の断定について大体の賛成を表した。僕とて錨健次の
前身やら両不良団の対立を知らないではなかったから……。しかしもっとはっきりしたと....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
に於て犯人である夫人は、明かに『花束の虫』を恐れていた。で、僕の疑念は当然夫人の
前身へ注がれた訳だ。その目的と、もうひとつスパニッシュ・ワンステップの知識に対す....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
もうこう出て来なければならないという道を選んだわけであります。私は今の美術学校の
前身である画学校で絵を習いましたが、その時分の先生が鈴木松年さんで、なかなか筆の....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
、煙の如く影の如く何うしても見えるというのだ。それから取調べてみるとその下宿屋の
前身というのが、もとは尼寺であったので、巴里の市中に革命の行われた時は、何でも病....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
小林城三と名乗っていたから、本当は淡島椿岳でなくて小林椿岳であるはずだが、世間は
前身の淡島屋を能く知ってるので淡島椿岳と呼び、椿岳自身もまた淡島と名乗っていた。....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の報酬は何ほどのものでもないから生活を補う資にはならなかった。 今の女子学院の
前身の桜井女学校に聘されて文学を講述したのもこの時代であった。ツイ先頃|欧羅巴か....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
頭髪も、話をする間に指でがりがり掻くので、もしゃもしゃになっていた。 美耶子の
前身が
前身だけに、彼の煩悶には複雑なものがあった。嫉妬の交った感情もあっただろう....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
けが相対しているのだった。 「その若い男の六部というのは――?」 「新生寺さんの
前身でしょう」 「では――、伯父が――、その女を殺したと仰しゃるんですか?」 「....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ところをみれば石炭の売込みに飛び込んだ。ふろ屋、精米所、ガラス屋から、日立造船の
前身である大阪鉄工所、稲畑染工所、尼崎汽船などの大ものにも取組んでいった。長谷川....