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前途遼遠
「前途遼遠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前途遼遠の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
といった。木下は、四十にはまだ大分間があるというものの、髪の毛も薄く、弁護士には
前途遼遠だった。性根を入れていないから、板場の腕もたいしたものにならず、実は何か....
「行人」より 著者:夏目漱石
。彼はこれより以上|箸《はし》を着ける事を許されなかったのである。自分はこれでは
前途遼遠《ぜんとりょうえん》だと思った。同時にその膳に向って薄い粥《かゆ》を啜《....
「明暗」より 著者:夏目漱石
を本当の勉強家として認めなければならないほど比較的多くの時間が二階で費やされた。
前途遼遠という気と共に、面目ないという心持がどこからか出て来て、意地悪く彼の自尊....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ス光線くらいを、現代の七不思議として誇る(『ネーチュール』九十巻九一頁)ほどでは
前途遼遠で、それで以て平等世界を湧出せんとする者は、護摩を以て治国を受け合い、庚....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
タリア語は、文法を三十五ページばかり読んだ。全部で四百ページ余あるのだから、まだ
前途遼遠だ。午後は、ドウィッチェの『神愁鬼哭』と、早稲田の『日本古代史』とを読ん....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ぶるように大したものでもないオースティンの小説が、シンプル君以後の読み物で、然も
前途遼遠という始末ですから。三枚になったがお許し下さい。 九月十八日 〔巣鴨拘....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
全体の生活を裕かにするようにと努めているが、これでよしと安心の出来るにはまだまだ
前途遼遠である。だいたい私が諸君に対する待遇の根幹とするところを述べて見ると、 ....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
0 こうしてやっと七八つの穴は解いたが、のこりの穴は三十二ホールだ。
前途遼遠の感を深うする。 さて、元気を出して次に掛る。 二段目の除数の十位の....
「道なき道」より 著者:織田作之助
は微笑したが、やがて急にきっとした顔になると、 「――日本一のヴァイオリン弾き!
前途遼遠だ。今夜大阪へ帰ったらすぐ稽古をはじめよう」 無心に富士を仰いでいる寿....
「放浪」より 著者:織田作之助
といった。木下は、四十には未だ大分間があるというものゝ、髪の毛も薄く、弁護士には
前途遼遠だった。性根を入れていないから、板場の腕もたいしたものにはならず、実は何....