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「前部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白妖」より 著者:大阪圭吉
えてまだ私が遮断機を全部上げ切らないうちに、自動車はスタートして、アッと思う間に
前部の屋根でこの遮断機を叩きつけたまま、気狂いみたいに馳け出してしまったんです」....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
急行列車から降りるのであった。そして、よく気をつけてみると、必らずその急行列車の
前部に連結された三等車の、前から三輛目の車から降りて来るのであった。しかも、いつ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のような深い思索や、複雑な性格の匂いは見出されなかった。なお、その手働四輪車は、
前部の車輪は小さく、後部のものは自転車の原始時代に見るような素晴らしく大きなもの....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
していようとは、誰とて意外とするところであろう。 月子は静かに垂れ幕をかかげ、
前部屋へ姿を現わした。 陶器師は頭を介え、その頭を地に押し付け、肩を刻んで泣い....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
てそこが着陸に便利だと知れていた。 その着陸コースに三度目にはいった時に、艇は
前部からガスの逆噴射《ぎゃくふんしゃ》を開始し、だんだん速度をゆるめると共に浮力....
「地球要塞」より 著者:海野十三
き、とつぜん戦艦オレンジ号の艦体が、真中のところから、切断されてしまった。つまり
前部煙突のところから後が、切断されて、無くなったのであった。尤《もっと》も、その....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
これまで一度も足を踏み入れたことのない艇長公室へ入っていった。そこはロケットの最
前部から一つ手前の部屋で、やはり正六面体をなしていたし、広さは十坪ばかりのかなり....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
すこしも変らなかった。 「艦長。監視班報告。左舷十度、高度五百メートルに艦載機の
前部灯が見えます」 おお柳下機だ。いよいよ戻ってきたのだ。 「信号灯点火、本艦....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
乗客の大入換りがあって、かなり空席も目に立つ中に、いる、いる。 煙山は今度は最
前部の二等車のマンナカあたりにマフラーで顔を隠し、オーバーの襟を立てて、雑誌をよ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、早速二等運転士とともに行ったところ、食物は予期したよりも遙かに少なかった。船の
前部に、ビスケットの半分ばかりはいったタンクが一つと、塩漬けの肉が三樽、それから....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
があった。 しかし、法水は振り向きもせず、奥の室の扉を開けた。 その室には、
前部の発射装置がそっくりそのままになっていて、その複雑な機械の影は、市街の夜景で....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
もよるようだ。だがナゼ、表向きコマ村やコマ家で有り得たのだろう。そのナゼは系図の
前部がさき去られているので今日では判然しない。 しかしそのコマ家にしても一度は....
「安死術」より 著者:小酒井不木
音が胸を抉るように響き渡りました。義夫は俯向きに崖下の岩にぶつかったと見え、右胸
前部の肋骨が三四本折れ、拳を二つ重ねた程の大さの、血に塗れた凹みが出来ておりまし....
「キド効果」より 著者:海野十三
ら……」 「おおい、此処だア」と其の時、一輛後車室の窓から後部車掌が声をかけた。
前部車掌は車室を縦走して、後部車掌のところへ飛んでいった。 「あれを見ろッ」 ....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
、警部は顎に手をかけて頸の前面を見ようとしたが、その途端に「これは!」と叫んだ。
前部を折り曲げたカラーの間の咽喉笛に、何ものかの咬みついた歯の痕がはっきりついて....