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剔出
「剔出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剔出の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
し一度俳優の位置に身を置いて自分で動いてみると実にあっけないほど簡単にその原因を
剔出することができるものである。 ○エロキューションの指導に関しても前二項とほぼ....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
ならば勿論失明の外はありません。ことに疼痛が甚だしいために、それを除くには眼球を
剔出すること、即ち俗な言葉でいえば眼球をくり抜いて取ることが最上の方法とされて居....
「読書法」より 著者:戸坂潤
、泥棒したのだと思い込んだ両親にどやされるという短篇、どれも農村の現実的な矛盾を
剔出しようとする判然とした思想と意志とを表わしている。余計なものはどうでもよい、....
「戦場」より 著者:夢野久作
チに来たまえ。この腕の傷がわかるかね」 「わかります。弾丸の口径が違います。私は
剔出してやったのです」 「何の弾丸だったね。それは……」 「……………………」 ....
「手術」より 著者:小酒井不木
の準備を厳重に監督なさいました。 ある日、T先生は、子宮繊維腫の患者に、子宮|
剔出手術を施して講習生に示されることになりました。その患者は二十五歳の未婚の婦人....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
になると、表面上は機微な客観的真実の認識と描写があるようでも、句の背後からそれを
剔出して誇張し見せびらかす作者の主観が濃厚に浮かび上がって見えるのをいかんともし....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
であって、そうでなければ批評は批評対象物の客観的な意義を鳥瞰的に圏外から要約して
剔出出来ない筈なのだが、併しこれはあくまで一般に批評そのものの本性に帰着する性質....
「「壇」の解体」より 著者:中井正一
一見それは芸術的価値及び良心と批評的価値及び良心の上に立っての論争の交換、誤謬の
剔出として現われてはいる。お互いに一分のスキも与えまいとしての関心と焦慮、それは....
「猫と村正」より 著者:小酒井不木
瘍なのです。子供に多いのですが、大人にもたまにあります、猫の眼のように光る時分に
剔出するとよいのでしたが、今はもう手遅れです」 「手遅れと申しますと、右の眼が助....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
て白痴のようになってしまった。又、良雄の右眼の傷は意外にも重性の炎症を起し、早く
剔出すればよかったものを、手遅れのために交感性眼炎を発し左眼も同様の炎症にかかり....
「落日の光景」より 著者:外村繁
みる。しかし妻の場合は、病気の発見が遅れ、腋下にも転移している。更に築地で全部|
剔出《てきしゅつ》したわけでもない。私が十二年などという年数について考えることは....