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剥き出し
「剥き出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剥き出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
《こやつ》、狡猾《ずる》い奴だ」と、兵站《へいたん》係の衣水《いすい》子、眼玉を
剥き出し、 「八人前八銭ではないか、余分を返せ」と談判に及べば、船頭は一旦《いっ....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
が、大石か)と、上野が思ったとき、 「傷所を調べてみい」 二、三人が手早く肩を
剥き出して、手燭をさしつけた。 「あります」 大石は、頷くと、雪の中へ膝を突い....
「家霊」より 著者:岡本かの子
から上、天井へかけてはただ黒く竈《かまど》の中のようである。この室内に向けて昼も
剥き出しのシャンデリアが煌々《こうこう》と照らしている。その漂白性の光はこの座敷....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
の横顔を照してみた。顔は血の気を失って、只太い眉毛と、長い鼻とが残っていた。歯を
剥き出した唇は、泥を噛んでいた。――と、刑事が叫んだ。 「呀ッ。……これア、赤ブ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の大きさに見え、そうして渦巻きの奥に当って一つの顔が浮き出している。口を開き眼を
剥き出し、頬を膨らせ小鼻を怒らせ、気味の悪い三白眼をキラキラ光らせた悪戯児らしい....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
を閉じて、しばらくはさすってみたり、またぽかんと眺めてみたり、そうして鬼の眼玉を
剥き出し 「あんまりいろんな事を考えちゃいけません。静かにしているとじきに好くな....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
キリ盗んで来たに違いない」 とわざと大声出して前の一人が言うと、孔乙己は眼玉を
剥き出し 「汝はなんすれぞ斯くの如く空に憑って人の清白を汚す」 「何、清白だと?....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
の中はすっかり濁っていて、しばらく経って澄んだのを見ると、泥の中に何本かの蓮根が
剥き出しに見え、その近辺にはもう足の生えたお玉杓子が一つも見当らなかった。 「エ....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
の間際に舞台の上を見ると黒い長※の男が、四つの旗を背に挿して、長槍をしごき、腕を
剥き出した大勢の男と戦いの最中であった。 「あれは名高い荒事師だ。蜻蛉返りの四十....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
気高く美しく※たけて見える。最後に進むは奴姿の雲突くばかりの大男でニョッキリ脛を
剥き出しているのもそれらしくて勇ましい。 空には上弦の初夏の月が、朧ろに霞んだ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
唯一の生残者と目され、先には不可解な縊死を見せた宅悦の小六が、今度こそは、白眼を
剥き出し手足を縮めて、それはあえなくも息が絶えていたからであった。 この意外な....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ったら可かろう。何んだって愚図ついて、煩っているんだ。) と赭顔なのが白い歯を
剥き出していうようです。はあ、そんな心持がしましたの。 (おお、死んで見せようか....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
り、伯爵夫妻とでもいうような寛な足取りで通って行く。次に誰の眼にも莫連女と知れる
剥き出しの胸や腕に宝石の斑張りをした女が通った。何れドーヴィルストックの名花の一....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
の模形。母は襦袢の袖を噛み声も得たてず泣き出せば、十兵衛涙に浮くばかりの円の眼を
剥き出し、まじろぎもせでぐいと睨めしが、おおでかしたでかした、よくできた、褒美を....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ですか。
ファウスト
まあ、その物を食い厭きると云うことのなさそうな歯を
剥き出して、己に向いてしゃべるなよ。そうせられると、己は胸が悪くなる。○ああ。大....