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剥ぎ取る
「剥ぎ取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剥ぎ取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にかくれていて、錦の帯を囮に往来の旅人を引き摺り込んで、その懐中物や着物をみんな
剥ぎ取るのだろうと云うんです。まあ、どっちにしても気味のよくない所で、むかしは大....
「島原心中」より 著者:菊池寛
たのです。が、しかし、検事としての理性が僕の感情を抑えたのです。死体から、指輪を
剥ぎ取るということ、それは普通な人情からいえば、どんな債権債務の関係があるにした....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
まいとしたのさ、 私はもうほんとに考えた丈でブルブルするよ。 よってたかって
剥ぎ取る工面許りして居るのを思うと、夜もおちおちは眠られやしない。 だまそうと....
「無題」より 著者:宮本百合子
る。此の地殻の上に何処からか生れ出たものは、その出生の地を、彼等の魂のどん底から
剥ぎ取る事は出来ないのである。 静かな夜の中に坐して、記憶の裡に蘇返る「祖国」....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
術観と「指導精神」とを結び合せて考える時、プロレタリア文学は、文学から文学の衣を
剥ぎ取ることが必然となる。 文学から文学の衣を
剥ぎ取ることは、文学を「文学以前....
「白光」より 著者:井上紅梅
って検屍の上、地保に渡して埋葬した。死因は至っては当然問題ではない。死人の衣服を
剥ぎ取ることはいつもあることで、謀殺の疑いを引起す余地がない。そうして検屍の証明....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
なところへ連れ立って行ったのか、それは勿論わからなかった。お兼を殺してその着物を
剥ぎ取るつもりで、お長がお兼を誘い出したとすれば、まだ十三の小娘にも似合わぬ恐ろ....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
夢枕なのだった。彼女はその夢枕の言葉に従った。不思議に夫の病気は、一枚一枚病皮を
剥ぎ取るかのように癒って行った。彼女は早速、その場所に、その椿を親柱として白木の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
戦場のあとから谷やら峰道を、暗夜、命がけで嗅ぎあるいて、死者の持物やら小袖などを
剥ぎ取ることが半公然とおこなわれていた。そのためには、ずいぶん命をおとす者もある....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
す。地獄の途中の三途河という川の岸に関をすえて、この世から行く悪い亡者の、衣類を
剥ぎ取るというので有名になっております。仏説地蔵菩薩発心因縁十王経という日本でつ....