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剥奪
「剥奪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剥奪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鴎」より 著者:太宰治
古人の句の酸鼻《さんび》が、胸に焦げつくほどわかるのだ。私は、人間の資格をさえ、
剥奪《はくだつ》されていたのである。 私は、いま、事実を誇張して書いてはいけな....
「錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
えば功利的でケチ臭く、俗悪にして下卑ている――このブルジョアジイから物質的な富を
剥奪してしまうと逆にプロレタリアートが現われて来る。いずれも下等なマテリアリスト....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
四社協定というのは、四社所属の従業員たちから就職に関する多くの自由を合法的に
剥奪することを目的とする一種の秘密協約であって、その内容を正確に知っているのは前....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の外出・恋愛・結婚、並びに、この一書の内容を口外したるものは、ただちにその権利を
剥奪さるるものとす。ただし、その失いたる部分は、それを按分に分割して、他に均霑さ....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
諸将相率いて、東軍に降るに至った。蓋し将軍義政が東軍に在って、西軍諸将の守護職を
剥奪して脅したからである。 天文九年十一月、大内政弘や畠山義就は各々その領国に....
「惜別」より 著者:太宰治
し上げ、そうして、藤野先生は愕然として矢島を呼び、彼を大いに叱咤して幹事の栄職を
剥奪する、というようなうまい段取りになりはせぬかと夢想して、こうして騒いでいるの....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
うか。それともカチヤを餌に、人間の食うものも食わ無えで溜めた黄色い奴を、思うざま
剥奪くってくれようか。虫っけらは何処までも虫っけらで押し通して、人間の鼻をあかさ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
くれることを祈っていた私だが、入園後まだ浅き或る日のこと、私の楽しい気持は突然|
剥奪されるに至った。それは私の檻の前に立った一人の見物人を見上げたときに起ったこ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
おして覗くような、この現世離れのした幽艶なきらびやかさが刹那の私から観察の自由を
剥奪した。が、私の全身の毛孔はたちまち外部へ向って開いて、そのすべてを吸収しはじ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、兎に角斯うして、厨川君の侵害組織は遂に最後の|・を打つ事が出来、意識と全感覚の
剥奪に成功したのだったよ。つまり、その結果実現された怪屍体の制作が、胎龍の大脳を....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
。エジントンの云うところを聞くと、一般相対原理はほとんどすべてのものから絶対性を
剥奪した。すべては観測者の尺度による。ただ一つ残されたものが「作用」と称するもの....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
所持品を渡せとやられたものだった。追剥はその著名な人物を彼の随行員一同の目の前で
剥奪したのであった。ロンドンの監獄の囚人が獄吏と戦闘をし、弾丸を籠めた喇叭銃★が....
「翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
という事実なのである。 合理主義的な行き方が、飜訳者から自己の情緒本位の創意を
剥奪《はくだつ》せよ、と主張するのはいかにも正しい。ただ僕としてはそれが行き過ぎ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
な復讐を受けなければならなかった。そしてアラゴンの古き自由はこのときを最後として
剥奪され、市民党の七十九人は生きながら市場で焼き殺された。この火刑は朝の八時に始....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
獄放免せられたものの名称である。しからばその放免囚が、特別に公権停止もしくは公権
剥奪の付加刑を課せられ、或いは郷国追放の処分を受けなかった限りは、少くも彼らが以....