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「剪刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

剪刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
ょたい》を畳んで、また職人の群へ陥《お》ちて来たのであったが、悪いものには滅多に剪刀《はさみ》を下《くだ》そうとしない、彼の手に裁たれ、縫わるる服は、得意先でも....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ンと怒った顔をしたと思うと、お盆を差出した女中と入違いに、洋燈棚へついと起って、剪刀を袖の下へ秘して来て、四辺を※して、ずぶりと入れると、昔取った千代紙なり、め....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
ふっつり母のことは口へ出さなくなってしまった。しかしどうかするとむずかるらしく、剪刀を投げられたりするから、あれは直さなければと葉子は笑いながら庸三に話すのであ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
に至れば、抽斎が必ず出て看たことは、既に言った。 庭園は抽斎の愛する所で、自ら剪刀を把って植木の苅込をした。木の中では御柳を好んだ。即ち『爾雅』に載せてある※....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
呼びあつめ、壁をぶちこわしてはいってみると、林は腰掛けの上にたおれていた。かれは剪刀で喉を突いて自殺したのである。 さてその死因はわからなかった。伝うるところ....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
るところの編集のための截断であり、構成のための加工である。一瓶の花を生けるために剪刀を使うのと全く同様な截断の芸術である。 映画成立の最後の決定的過程として編....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
暑さと蠅取り紙の場面には相当深刻な真実の暗示があるが、深刻なためにかえって検閲の剪刀を免れたと見える。 兵隊が帰って来た晩の街頭の人肉市場の光景もかなりに露骨....
食堂」より 著者:森鴎外
使う墨で塗り消すことさ。黒くするからカウィアにするというのだろう。ところが今年は剪刀で切ったり、没収したりし出した。カウィアは片側で済むが、切り抜かれちゃ両面無....
連環記」より 著者:幸田露伴
も傍より急に其一端を強く引かれて愈々解き難くなったので、ええ面倒ナ切って終え、と剪刀を取出す気になるような、腹の中で決断がついて終ったせいもあったろう。定基は突....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
首に冴えて淡藍が映える。片手には、頑丈な、錆の出た、木鋏を構えている。 この大剪刀が、もし空の樹の枝へでも引掛っていたのだと、うっかり手にはしなかったろう。盂....
露肆」より 著者:泉鏡花
割引イでエ、粗のと二ツ一所に、名倉の欠を添えまして、三銭、三銭でエ差上げますウ、剪刀、剃刀磨にイ、一度ウ磨がせましても、二銭とウ三銭とは右から左イ……」 と賽....
珊瑚」より 著者:田中貢太郎
どうして両親に顔があわされよう。いっそ死ぬるがましだ。」 といって、袖の中から剪刀を出して喉を突いた。老媼はびっくりして剪刀をもぎとったが、血は傷口から溢れ出....
ラプンツェル」より 著者:グリムヴィルヘルム・カール
って、魔女はラプンツェルの美しい髪を攫んで、左の手へぐるぐると巻きつけ、右の手に剪刀を執って、ジョキリ、ジョキリ、と切り取って、その見事な辮髪を、床の上へ切落し....
註文帳」より 著者:泉鏡花
う、狭い店のごたごたと並んだのを通越すと、一|間口に看板をかけて、丁寧に絵にして剪刀と剃刀とを打違え、下に五すけと書いて、親仁が大|目金を懸けて磨桶を控え、剃刀....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
が駆足で すぐ地獄へ飛び込んでも好い位だ。 クセニエン わたし共は小さい剪刀を持った 虫になって来ています。 身分相応に悪魔のお父っさんの お気に入るよ....