副木[語句情報] » 副木

「副木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

副木の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戦場」より 著者:夢野久作
一つ前に居る中年の軍曹が答えた。ピストルで腕を撃たれている男だ。肩から白い繃帯と副木で綿に包まれた腕を釣っているのがこの場合、恐ろしく贅沢なものに見える。 「…....
フロレンス・ナイチンゲールの生涯」より 著者:宮本百合子
からそこにいあわせた牧師を大人のように命令して手伝わせながら、その傷の手当をし、副木をつけてやるまでは満足しなかったというエピソードが、生れながら慈悲の女神であ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
安心して自分の重みをかけると。ですから私としては底をぬかない用心を自分でやって、副木を添えて一歩一歩と自分の歩ける場所をひろげてゆくわけで、そういう工兵的生活法....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かんせつえん》のために床についたきりで、樹皮の中にはいったダフネのように、全半身副木に固められていた。傷ついた牝鹿《めじか》のような眼をし、日影の植物のような褪....
氷河」より 著者:黒島伝治
に相当するとして……増加がついて二百二十円か。」 足のさきから腰まで樋のような副木にからみつけられている、多分その片脚は切断しなければなるまい、それが福地だっ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
にかまだ要るものがあるか」 職人はハッハッと肩で息をして、 「割箸を一ぜん……副木《そえぎ》をやるので……」 「割箸なら眼の前にある。……蓋物の横についている....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
沃丁《ヨーチン》を塗る、水をのませる、布団や筵《むしろ》を見つけてきてかぶせる、副木を当てる。 「ああ標本室が火を吐く」長井君が叫ぶ。ああ、十数年苦心して集めた....