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割れ
「割れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
す》えながら、砂まぶれの指を一つびくりとやると、声とも息ともわからないものが、干
割れたくちびるの奥のほうから、かすかにもれて来たからである。
三....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
れから三四日たった後、二万噸の××は両舷の水圧を失っていたためにだんだん甲板も乾
割れはじめた。この容子を見た職工たちはいよいよ修繕工事を急ぎ出した。が、××はい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の神ハイムダルも瀕死の重傷を受けるであろう。すると太陽もまた光を失い、天の穹窿は
割れ、地底の火を封じていた山嶽は破れ、火焔はこの戦場を包囲するであろう。この世界....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
尽しておりますけれども、どうもこれは瀬戸物のようではないか。堅いけれども落とすと
割れそうだ。スターリンに、もしものことがあるならば、内部から崩壊してしまうのでは....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
いか、その時はしとしとと皮に潤湿を帯びていたのに、年数も経ったり、今は皺目がえみ
割れて乾燥いで、さながら乾物にして保存されたと思うまで、色合、恰好、そのままの大....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ど面白いのです。 しかし、とうとうやっと一つ、殻が裂け、それから続いて、他のも
割れてきて、めいめいの卵から、一|羽ずつ生き物が出て来ました。そして小さな頭をあ....
「狂女」より 著者:秋田滋
普魯西の兵隊が攻めて来た。 僕はそれを昨日のことのように覚えている。石が凍って
割れるような寒い日のことだった。痛風がおきて僕自身も身動きが出来なかったので、ぼ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
屋のすぐそばに大きな納屋があり、教会にしてもよいくらいだった。どの窓からも、どの
割れ目からも、農場でとれた宝物がこぼれ出そうだった。そのなかでは朝から晩までから....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
まりに早く推移するように思えてならなかった。いつか、村の前面を迂曲する谷川の氷が
割れて冬中だまりとおしたせせらぎが、日一日とつぶやきを高め、ついにそれは遙かに人....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
、もしかそういう作品にちょっとでも手を着けようものなら、忽ち精進一途の心が二つに
割れまして、つい御下命作に筆を染めかねては、一日が一月になり、一月が一年になり、....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
してもできません。こうして、間に一つ仕事をはさみ込みますと、どうも気持ちが二つに
割れて工合よくゆきません。気軽にかかれるものでしたら、さっさと、次の仕事に移れま....
「京のその頃」より 著者:上村松園
という感じが出ない。小町紅ではお嫁さんや娘さんや、絶えず若い美しい女の人がいて、
割れ葱に結って緋もみの裂で髷を包んだりして、それが帳場に坐っていて、お客さんが来....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
畝らす。 雲白く、秀でたる白根が岳の頂に、四時の雪はありながら、田は乾き、畠は
割れつつ、瓜の畠の葉も赤い。来た処も、行く道も、露草は胡麻のように乾び、蓼の紅は....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
うの縁に、旅の男が、円髷の麗人と向合っているのが見える。 そこには、瓜が二つに
割れて、ここの松の空なる枝には、緋鹿子の輪が掛りました。……御堂も、池も、ぐるぐ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
戸をあけてやるとだまって五銭か十銭の白銅をにぎらしてくれた。またビールの空びんや
割れた皿などをこっそり廃品回収業者に売って小金をためる手も覚えた。 だがある日....