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割符
「割符〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割符の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
はなく、時候|後《おく》れの親子を追い越して馳《か》け抜けるためのように見える。
割符《わりふ》とは瓜《うり》二つを取ってつけて較《くら》べるための証拠《しるし》....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
まろうかな?」 甚太郎はスタスタ歩いて行く。 特に信玄から授けられた武田家の
割符を持っているので、甲州の地は気随気儘に通ることも出来れば泊まることも出来る。....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
座いますから、飛脚の参りました節に何か証拠が御座いませんと」 「そやそや、印鑑で
割符をしとこか」 「ではこの紙へ」 と、亭主の懐中している紙入から抜出す紙一折....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
めたものです。 この制度は、箱根、笛吹《ふえふき》両関所に準じ、出入りとも手形
割符を照らしあわせて、往来《ゆきき》を改める。 なかんずく。 五貫目以上の荷....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
を絞り固めて外套の衣嚢に入れたばかりでなく、女の紫のハンカチと一緒に、金受取りの
割符にした名刺の半分までも取り上げて仕舞い込んでしまった。そのために、女は一層殺....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
埃をかぶったまま長く開かれずついに彼の死後こんにちにいたるまで、水火の奥ゆるしが
割符《わりふ》となって夜泣きの大小の中心《なかご》に巻き納めてあるということを認....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
のもおかげがねえでな。……これも、叔父孝行のうちだ」 門番詰所へ行って、役所の
割符《わっぷ》をだすと、門番頭のうらなり面が、ジロリと顎十郎を見て、 「おつれは....
「三国志」より 著者:吉川英治
は、手を打って、大いに笑いながら、 「いや、そちの意見も、郭嘉のことばも、まるで
割符を合わせたようだ。予も、欠点の多いことは知っている。そういいところばかりある....
「三国志」より 著者:吉川英治
か」 「事火急に出で、告文はつい持ち忘れてござるが」 「ただの旅人ならば、関所の
割符を要し、公の通行には告文なくば関門を通さぬことぐらいは、将軍もご承知であろう....
「三国志」より 著者:吉川英治
にも、火の一字が書いてあったし、周瑜の掌にも、火の字が書かれてあった。 「おお、
割符を合わせたようだ」 二人は高笑してやまなかった。魯粛も盃を挙げて、両雄の一....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ていた。 それらの木戸ではいちいち当然な訊問をうけるが、そのたび権三は六波羅|
割符をしめし、大蔵は、表に「二階堂」裏に「荷駄組」と烙印した手脂でひかッている分....