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剽窃
「剽窃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剽窃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
りながら、微苦笑といっしょにこう言いました。
「これはゲエテの『ミニヨンの歌』の
剽窃《ひょうせつ》ですよ。するとトック君の自殺したのは詩人としても疲れていたので....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
ずり直してばかりいた。泣きたくなって来た。万事窮して、とうとう悪事をたくらんだ。
剽窃《ひょうせつ》である。これより他は、無いと思った。胸をどきどきさせて、アンデ....
「俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
法にも通う」のである。これは一笑に値する。 六 昔、ラスキンが人から
剽窃呼ばわりをされたのに答えて、独創ということも、結局はありったけの古いものから....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
の持ち上がる確率が大きいようである。 文学上の作品などでも、よくこれに類した「
剽窃問題」が持ち上がる事がある。大文豪などはほとんど大
剽窃家である。 哲学者科....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
家であり、又大抵の場合達者な応用家なのであるから、本を原書で読める婦人から、時々
剽窃なるものを指摘されることにもなる。つまり彼はそれ程博学であり又結局に於て勉強....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いで、わたくしが一々説明いたしませんでも、これはなんの翻案であるか、これはなんの
剽窃であるかということは、少しく支那小説を研究なされた方々には一目瞭然であろうと....
「浅草紙」より 著者:寺田寅彦
えば文展や帝展でもそんな事があったような気がする。それにつけて私は、ラスキンが「
剽窃」の問題について論じてあった事を思い出して、も一度それを読んでみた。その最後....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ない。自分の民衆に歌を与えんと欲するときに、君たちはドイツの過去の大家らの音楽を
剽窃《ひょうせつ》しなければならないではないか。君たちの芸術は根底より頂上まで、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
トフは、自己の芸術の文法を知らず、和声《ハーモニー》に無知であり、仲間の作品から
剽窃《ひょうせつ》し、音楽を汚す者であるとして、誹謗《ひぼう》されていた。「あの....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
二 海賊 ナポリを見てから死ね! Pirate という言葉は、著作物の
剽窃者を指していうときにも使用されるようだが、それでもかまわないか、と私が言った....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
えていた。僕は「ホトトギス」の雑詠に出る蛇笏の名前に注意し出した。勿論その句境も
剽窃した。「癆咳の頬美しや冬帽子」「惣嫁指の白きも葱に似たりけり」――僕は蛇笏の....
「絵画の不安」より 著者:中井正一
見失われてしまう。読まれたるもの、語られたるもの……描かれたるもの……についての
剽窃《ひょうせつ》に日は過ぎていく。すべてについて、そして何もののためにでもなく....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
とうてい小町には敵わないと思ったものですから、腹黒の黒主が、小町の歌が万葉集のを
剽窃したものだと称して、かねて歌集の中へ小町の歌を書きこんでおき、証拠はこの通り....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
南新聞』にて募集したるもの故よろしからず。同じ題が出ては前の募集句を見ておかねば
剽窃の煩いあり、また同じ題ばかりでは投書家の詩想広くならぬ憂あり。 また壱号の....
「夏の町」より 著者:永井荷風
。成島柳北《なるしまりゅうほく》が仮名|交《まじ》りの文体をそのままに模倣したり
剽窃《ひょうせつ》したりした間々《あいだあいだ》に漢詩の七言《しちごん》絶句を挿....