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劃
「劃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
劃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
》のある所は、巨鹿城《ころくじょう》に近い廓町《くるわまち》の最も俗塵に遠い一区
劃だった。殊に私の起臥《きが》していた書院造りの八畳は、日当りこそ悪い憾《うらみ....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
意深く彼を監視し始めた。すると果して吉助は、朝夕《あさゆう》一度ずつ、額に十字を
劃して、祈祷を捧げる事を発見した。彼等はすぐにその旨を三郎治に訴えた。三郎治も後....
「路上」より 著者:芥川竜之介
十六
俊助《しゅんすけ》の下宿は本郷森川町でも、比較的閑静な一区
劃にあった。それも京橋辺《きょうばしへん》の酒屋の隠居所を、ある伝手《つて》から....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
町の賑《にぎや》かな店々の赫《かっ》と明るい果《はて》を、縦筋《たてすじ》に暗く
劃《くぎ》った一条《ひとすじ》の路《みち》を隔てて、数百《すひゃく》の燈火《とも....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
からしかたがないとしても、我々はさらに、現実|暴露《ばくろ》、無解決、平面描写、
劃一《かくいつ》線の態度等の言葉によって表わされた科学的、運命論的、静止的、自己....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
も見えたが、近所居まわりの長屋連らしいのも少くない。印半纏さえも入れごみで、席に
劃はなかったのである。 で、階子の欄干際を縫って、案内した世話方が、 「あすこ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
… 一 三浦の大崩壊を、魔所だと云う。 葉山一帯の海岸を屏風で
劃った、桜山の裾が、見も馴れぬ獣のごとく、洋へ躍込んだ、一方は長者園の浜で、逗子....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
は、穴を圧えて、宗山を退治る料簡。 と出た、風が荒い。荒いがこの風、五十鈴川で
劃られて、宇治橋の向うまでは吹くまいが、相の山の長坂を下から哄と吹上げる……これ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
る。 雪のような胸には、同じ朱鷺色の椿がある。 叫んで、走りかかると、瓶の区
劃に躓いて倒れた手に、はっと留南奇して、ひやひやと、氷のごとく触ったのは、まさし....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
て引戻されて、ハッと胸で気を揉んだ褄の崩れに、捌いた紅。紅糸で白い爪先を、きしと
劃ったように、そこに駒下駄が留まったのである。 南無三宝! 私は恥を言おう。露....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の違いもありません。……不思議です。……特に奇蹟と存じますのは、――家の地続きを
劃って、的場を建てましたのですが、土地の様子、景色、一本の松の形、地蔵のあるまで....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
夫人の打微笑む、目も眉も鮮麗に、人丈に暗の中に描かれて、黒髪の輪郭が、細く円髷を
劃って明い。 立花も莞爾して、 「どうせ、騙すくらいならと思って、外套の下へ隠....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、力と頼む一|族郎党の数もよくよく残り少なになって了ったのを見ましては、再挙の計
劃の到底無益であることが次第次第に判ってまいりました。積もる苦労、重なる失望、ひ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
に起らない。 『イムペレエタアと称する霊からの通信の開始は、私の生涯に一新紀元を
劃するものである。それは私にとりて、精神的再生を遂げしめた教育期間で、爾来、私は....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
がしく澄みわたることはなかろう。山々峰々が碧瑠璃の虚空へ宛然定規など置いたように
劃然と際立って聳えて見える。その一つ一つを選択するのである。すぐに決定する。歩み....