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「劇場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

劇場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
しょ》」。上のは黒い中に白、下のは黒い中に赤である。 28劇場の裏の上部。火のともった窓が一つ見える。まっ直《すぐ》に雨樋《あまどい》をお....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、限界のその突当りが、昨夜まで、我あればこそ、電燭のさながら水晶宮のごとく輝いた劇場であった。 ああ、一翳の雲もないのに、緑紫|紅の旗の影が、ぱっと空を蔽うま....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
に霞むにつけても、家路|遥かな思いがある。 また、余所は知らず、目の前のざっと劇場ほどなその空屋の裡には、本所の空一面に漲らす黒雲は、畳込んで余りあるがごとく....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
りですね。」 と私は言った。 名にし負う月の名所である。ここの停車場を、月の劇場の木戸口ぐらいな心得違いをしていた私たちは、幟や万燈には及ばずとも、屋号をか....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
店頭へ、こうした娘姿を映出すのは――何とか区、何とか町、何とか様ア――と、大入の劇場から女の声の拡声器で、木戸口へ呼出すように楽には行かない。なかなかもって、ア....
」より 著者:池谷信三郎
よると彼女はもう結婚しているのではないかしら? すると、今度は暗い露路に面した劇場の楽屋口が、その部屋の情景にかぶさってダブってきた。――そこをこっそり出てく....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
たずらに、かくしに入れたかな。おやおや、ここに手紙があるぞ。」 いかにもそれは劇場の支配人から来たものでした。あなたのお作は上場いたしかねますと、それもいっこ....
火星の芝居」より 著者:石川啄木
が、火星じゃ「天上の飛脚」でも演るんだろう?』 『そんなケチなもんじゃない。第一劇場からして違うよ』 『一里四方もあるのか?』 『莫迦な事を言え。先ず青空を十里....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
輪の音、発車のベルの音その他、すべて鉄道事業の経営に付随する各種の音響は遠慮なく劇場の中へ飛びこんできて見物の注意を奪つたから、不幸なこの小屋の見物たちは忠臣蔵....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
いた。だが、年がら年じゅう同じものを繰返し繰返し見ていることが、ちょうど毎晩同じ劇場へはいって芝居を観る者に起きるように、私の心をとうとう倦怠と嫌悪の巣にしてし....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ているわけである。 かくてある場合には「感心しない」という目的のもとにわざわざ劇場に足を運ぶというような理解し難い現象をさえ生ぜしめるにいたつたのである。 ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、定子|阿魔の顔さえ見せておくんなさりゃ、日本橋でも、万世橋でも、電車の中でも、劇場でも、どこでもかまわないッていったそうでさ。するとお夏さんの方は覚悟があるか....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、――波か、雲か、その台座の巌を走る。 「南京出刃打の見世物が、奇術にまじって、劇場に掛ったんだよ。まともには見られないような、白い、西洋の婦人の裸身が、戸板へ....
西航日録」より 著者:井上円了
あり、また海中に幅およそ十間、長さ三百間以上の桟橋二カ所あり、その一つは壮大なる劇場を設けたり。余ここに遊び、銅銭五文にて昼食を喫し、終日遊歩してロンドンに帰る....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
も時代錯誤に近いものを感じない訳には行かなかった。 この表忠碑の後には確か両国劇場という芝居小屋の出来る筈になっていた。現に僕は震災前にも落成しない芝居小屋の....