力感[語句情報] »
力感
「力感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
が真剣に写っているのだった。また吉田がこの状態を続けてゆくというのには絶えない努
力感の緊張が必要であって、もしその綱渡りのような努力になにか不安の影が射せばたち....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
い。私が立去ったあとでは、屹度《きっと》舌でも出しているに相違ない。 自分の無
力感が、いたく私を噛む。この愚劣と不正と貪慾《どんよく》とが日一日と烈しくなって....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
て最も痛切なる理由は自殺が私に最深の道徳的満足を与えないことである。最終までの努
力感を与えないことである。みずからをほめる心地になれないことである。そのもたらす....
「今日の読者の性格」より 著者:宮本百合子
る昨今の皆の感情も、予測のつかなさと不安定の感とその現象に対する一市民としての無
力感とに於て、明らかな時代の感情の色調を帯びている。 あらゆるものが強い旋回の....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
四章 叙事詩と抒情詩 第五章 象徴 第六章 形式主義と自由主義 第七章 情緒と権
力感情 第八章 浪漫派から高蹈派へ 第九章 象徴派から最近詩派へ 第十章 詩に於....
「新年号の『文学評論』その他」より 著者:宮本百合子
長所を発見しようと志し、同時に、芸術作品の構成の豊富さ、諧調における明暗の濃さ、
力感のつよさなどを追求するのはむしろ必然だと思う。われわれは、丈夫な頸骨と眼力と....
「平野義太郎宛書簡」より 著者:野呂栄太郎
御手紙拝見いろいろと御尽
力感謝します。 御申越しの要項は御忘れになってゆかなかったようです。細川氏の原稿....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のそういう時間が体操とかち合って、ここの学校の先生はさながら自分の肉体の柔軟さと
力感と肺カツ量とをたのしむように空まで声をひびかせて、ソラソラソラ手をあげてハッ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
だの金閣寺にくらべて、早川の洪水が暗褐色の防波堤となって一哩も海中に突入している
力感あふるる景観に、比較にならない美を感じているものであるが、さらに大黄河の泥シ....
「言語は生きている」より 著者:中井正一
の中から三つばかりここに例を挙げて見よう。 「た」「一つの方向に直線に走っている
力感」としての語感をもつものとして考えて見る。 「方」「手」(方向を指ししめす)....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
は仲よく交換をする。貧民は独立を自覚して堂々と闊歩し、また彼れの雇傭者の精神も権
力感によって汚されていない。
『三、四百年以前には、疑いもなく英蘭《イングランド....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
知識階級の囁くを聞く、此の〈暴〉力の前にいかに吾々の無力なることよと、だが此の無
力感の中には、暗に暴力|讃美の危険なる心理が潜んでいる、そして之こそファッシズム....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
術であれ、哲学であれ、必ず「アルバイト」の臭いがする。 強制と義務と正確への努
力感と。そして生存競争の意欲。 ところで、支那の古詩には、こうした臭味がない。....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ら支店長代理に対抗しようとも、ほんとうは何の役にたつわけのものでもなく、相手の権
力感を強めるだけであり、よく観察をし、刻々の情勢に的確に従って処置をとるチャンス....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
が時代精神の圧力に対して抱きつづけた対抗と緊張と恐怖との肉体的感覚や、暗澹たる無
力感や、それにもかかわらず働きつづける批評的意識やを思いおこして、自分自身がいと....