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功名心
「功名心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
功名心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
貌《かおつき》は醜いと言いましても、強い健《すこやか》な農夫とは見えるのでした。
功名心の深い源は、その日の競馬の催に野辺山が原附近の村々から集る強敵を相手にして....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
部は、やっきになって自分の持場を攻めあせった。バタバタ倒れる者が多くなる。幹部の
功名心と競争心は兵士に重量がのしかゝるように出来ていた。柿本らにも、それが眼に見....
「超人間X号」より 著者:海野十三
たいきゃく》だ。何をぐずぐずしているんだ」 「ここまで来て、ひっかえすんですか」
功名心《こうみょうしん》に燃えている武装警官隊は、山形警部一人だけに手柄をされて....
「形」より 著者:菊池寛
ハハ念もないことじゃ」新兵衛は高らかに笑った。新兵衛は、相手の子供らしい無邪気な
功名心をこころよく受け入れることができた。 「が、申しておく、あの服折や兜は、申....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
りゃほんとうですか?」と警官が大きな声で言った。そして次の瞬間には彼の眼は職業的
功名心で輝いた。「これは大変な騒ぎになるだろう、」と彼は言った。「で、あなたにも....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ばかばかしいことではある。しかし彼の胸には、こないだの橋の上での事件以来、一種の
功名心が芽を出している。それに、このごろ、妙に恭一が哀れっぽく見えて、彼のためな....
「北村透谷の短き一生」より 著者:島崎藤村
村君自身の言葉を借りて云えば、不覊磊落な性質は父から受け、甚だしい神経質と、強い
功名心とは母から受けた。斯ういう気風は少年の時からあって、それが非常にやかましい....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ちの誰よりも、ませているともいえるのだった。それに、彼の持ちまえの侠気というか、
功名心というか、そうしたものが、彼自身でも気づかない間に、そろそろと頭をもたげて....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ないか、という希望もあった。そうした考えや希望の底に、彼の幼年時代からの好奇心と
功名心が全くひそんでいなかったとはいえなかったかも知れない。しかし、彼としては、....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
がら、 「どうしてお父さんはそんなことを仰しゃるんです。」 「人間というものは、
功名心のためなら自殺さえしかねないものだからね。」 次郎には、ますますわけがわ....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
公とおれと二人でそっと行くことにしようではないか。」 いかなる場合にも人間には
功名心がある。甚七と市五郎も海馬探検の功名手柄を独り占めにしようという下心がある....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
によって益するよりも害毒を流すことが多いだけは確かであろう。新聞がそれを行うのは
功名心、他紙との勝敗を争うという
功名心が主であろうが、その結果は一方が下山総裁自....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
った、余りに謙遜であった、かつ余りに潔癖であった。切めて山本伯の九牛一毛なりとも
功名心があり、粘着力があり、利慾心があり、かつその上に今少し鉄面皮であったなら、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の両川に二葉亭即ち長谷川を加えて露語の三川と称されておる。不思議な事には両川とも
功名心が薄く、各々数年露国に留学して帰朝した後、しばしば先進の大官から重要の椅子....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
たちが姿を現わしたのである。一部始終を聞いたエセックスは激怒した。ラレイは掠奪と
功名心のために、計画的に彼を出し抜いたものであり、総司令官の到着を待たずに島を襲....