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功徳
「功徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
功徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いから御姫様の御顔を御覗きになりました。
十九
「されば恋の
功徳《くどく》こそ、千万無量とも申してよかろう。」
やがて若殿様は、恥しそうに....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
上一人《かみいちにん》の位を望むべからずとの天戒を定め玉い、この天戒を守らばその
功徳《くどく》に依って、DS の尊体を拝し、不退の楽《らく》を極むべし。もしまた....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
なこ》には麻耶夫人《まやふじん》じゃ。男女《なんにょ》の交会も万善《ばんぜん》の
功徳《くどく》じゃ。われらが寝所には、久遠本地《くおんほんじ》の諸法、無作法身《....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
むぐら》のように延びた。雨のため傷《いた》められたに相異ないと、長雨のただ一つの
功徳《くどく》に農夫らのいい合った昆虫《こんちゅう》も、すさまじい勢で発生した。....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
の先一町行け、そうすれば上段の室《へや》に寝かして一晩|扇《あお》いでいてそれで
功徳《くどく》のためにする家があると承《うけたまわ》りましても、全くのところ一足....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
いや、御先達、お山伏は、女たちとここで一献お汲みがよいよ。 朱の盤 吉祥天女、御
功徳でござる。(肱を張って叩頭す。) 亀姫 ああ、姥、お前も大事ない、ここに居て....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
き反らして擦りながら、 「衆怨悉退散。」 とまた念じて、静と心を沈めると、この
功徳か、蚊の声が無くなって、寂として静まり返る。 また余りの静さに、自分の身体....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
が故郷へ帰った、その瑞兆が顕われたとして、しかも家の骨に地蔵尊を祭る奇特がある。
功徳、恭養、善行、美事、その只中を狙うのが、悪魔の役です。どっちにしろ可恐しい、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
と起き、弦光の頸窪はころんと辷って、畳の縁で頭を抱える。 「討死したな。……何も
功徳だ、すぐにも先生の許へ駆附けよう。――湯に行きたいな。」 「勿論よ。清めてく....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
「婆とお云いなさいますのは。」 「それ、銀目と、金目と、赤い目の奴等よ。主達が
功徳での、地蔵様が建ったが最後じゃ。魔物め、居処がなくなるじゃで、さまざまに祟り....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
、内外の困難に当り円滑に事を纒めたるがためにして、その苦心の尋常ならざると、その
功徳の大なるとは、これを争う者あるべからず、明に認むるところなれども、日本の武士....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
て、 「お志の御|回向はの。」 「一同にどうぞ。」 「先祖代々の諸精霊……願以此
功徳無量壇波羅蜜。具足円満、平等利益――南無妙……此経難持、若暫持、我即歓喜……....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
知ってるものも別に仔細というほどのことを見出さない。本人も語らず、またかかる善根
功徳、人が咎めるどころの沙汰ではない、もとより起居に念仏を唱える者さえある、船で....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
と同じ日蓮宗の御様子なり。戸のお札をさえ見掛けての御難題、坊主に茶一つ恵み給うも
功徳なるべし、わけて、この通り耳も疎し、独旅の辿々しさもあわれまれよ。)と痩法師....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
が見えてから、あの苦しむのが聞えないから……」 「私のその、御経読誦が、いくらか
功徳がありましたもんでがしょう。」と、泣くより笑いというのである。 「ああ、どう....