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「功罪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

功罪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
らねばならん。けれどもこれは天才でもはなはだむずかしい。したがって普通の場合には功罪が帳消しになって余す所は棒だけになります。いくら藤村の羊羹《ようかん》でもお....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
たのであった。僅か四年前「プロレタリア文芸批評界の展望」の中で、「目的意識論」の功罪を明瞭にして、芸術の芸術としての独自性を語っている蔵原が、もし発言する自由の....
明日の知性」より 著者:宮本百合子
ドイツのあることを訴えたものであった。ドイツの国民性を解剖し、ワイマール共和国の功罪を論じ、一知識人の日記の形でナチス運動の発展のあとをたどり、ナチス以外のドイ....
微妙な人間的交錯」より 著者:宮本百合子
ジャーナリズムの大動脈が通っているのではあるまいか。 ジャーナリズムは夥だしい功罪ともども読者を捕えてゆくのではあるが、そのためには読者の人間的社会的意欲の動....
ジャーナリズムの航路」より 著者:宮本百合子
しまっているのは、ほかならぬ購読者なのであるから。 こんにち、ジャーナリズムの功罪は、ひとごとでなくなった。どうせジャーナリズムはますます大資本の独占的企業に....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
結論出来るだろうと共に、実際又、自由主義者はピンからキリまである文化統制の種類と功罪とを、一緒くたにして了うという極めて乱暴な結果に陥るのである。ファシズム文化....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ものを出現させ、ダラダラとナポレオン三世まで来てしまったのでしょう。ナポレオンの功罪は大変大きいのね。思われているよりも大きいのね。マリ・アントワネット、カザリ....
ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
間を救った方が多いか、苦しめ、迷わした方が多いか、判らないように、科学の発達も、功罪不明だね。」 「ロボットのごとき、明かに、人間の職を奪ったからね。」 人々....
瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
士風の維持は万世《ばんせい》の要なり。これを典《てん》して彼《かれ》を買う、その功罪|相償《あいつぐな》うや否《いな》や、容易に断定すべき問題にあらざるなり。 ....
ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
宗教戦に洩らさせ、キリスト教興隆に役立てようとしたその点からである。 十字軍の功罪、及びその成功不成功に就いては此処ではいわない。 最後に私は、外交家の素質....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ッフェーに飲んでいても、誰一人これを知って怪しみ咎《とが》めるものもない。歳月は功罪ともにこれを忘却の中に葬り去ってしまう。これこそ誠に夢のようだと言わなければ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ごとき二タ股者、いや三ツ股者の降参をゆるすなどの過誤を冒してはと」 「が、人には功罪いずれもある」 「道誉に何の功がかぞえられましょうか」 「まだ北条の勢威もさ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いたるまでは、なお南北両朝の争いも絶えぬありさまだったので、しぜん尊氏にたいする功罪論の是々非々だの、その人物を疑惑視する世評もつよく、それが当道の盲人にはとか....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
いている。正成や尊氏は、いわば颱風時代に揉まれた生命中の巨なるものだ。官賊の別や功罪の論などは、私本太平記の任ではない。揉みに揉まれた荒天の下の生命それぞれを書....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
を常法とした結果、あまり附き過ぎるのを軽蔑する気風を生じたこと、談林派は勿論その功罪の七八割を負わねばならぬが、この趣味の誇張は末永く継承せられ、尤もらしくして....