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加える
「加える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
加えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
子に坐っていた。北京《ペキン》を蔽《おお》った黄塵《こうじん》はいよいよ烈しさを
加えるのであろう。今は入り日さえ窓の外に全然光と言う感じのしない、濁《にご》った....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
んもく》に関《かかわ》るらしい。だから保吉もこのお嬢さんに「しかし」と云う条件を
加えるのである。――念のためにもう一度繰り返すと、顔は美人と云うほどではない。し....
「河童」より 著者:芥川竜之介
《だえんけい》の皿《さら》があり、そのまた皿は年齢により、だんだん固《かた》さを
加えるようです。現に年をとったバッグの皿は若いチャックの皿などとは全然手ざわりも....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
のろ》わしい約束のために、汚《けが》れた上にも汚れた心の上へ、今また人殺しの罪を
加えるのだ。もし今夜に差迫って、この約束を破ったなら――これも、やはり己には堪え....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
新思潮第四号)
○酒虫は「しゅちゅう」で「さかむし」ではない。気になるから、書き
加える。(新思潮第六号)
○僕は新小説の九月号に「芋粥《いもがゆ》」という小説を....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
u s'allume〕 とか何とか考えていそうに見えるのである。 序ながら書き
加えるが、小杉氏は詩にも堪能である。が、何でも五言絶句ばかりが、総計十首か十五首....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
が、猿は熟柿《じゅくし》を与えず、青柿《あおがき》ばかり与えたのみか、蟹に傷害を
加えるように、さんざんその柿を投げつけたと云う。しかし蟹は猿との間《あいだ》に、....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
秤《はかり》を平《たい》らに致したい一心から、自然と多門の皿の上へ錘《おもり》を
加えることになりました。しかも後《のち》に考えれば、加え過ぎたのでございまする。....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
子《ようす》は、今しも摩利信乃法師《まりしのほうし》の脳上へ、一杵《いっしょ》を
加えるかと思うほど、神威を帯びて居ったのでございます。
しかし当の摩利信乃法師....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
オル・フランスの云うように、何処か曖昧《あいまい》に出来ている為、どう云う解釈を
加えるのもたやすいと云う意味ではあるまい。寧《むし》ろ廬山《ろざん》の峯々《みね....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
がある。――そのモノメニアックな眼の色が、殊にこう云う場合には、気味の悪い輝きを
加えるのだった。
旅団参謀は将軍に、ざっと事件の顛末《てんまつ》を話した。が、....
「少年」より 著者:芥川竜之介
々|挿絵《さしえ》を彩《いろど》ることだった。彼はこの「浦島太郎」にも早速彩色を
加えることにした。「浦島太郎」は一冊の中《うち》に十《とお》ばかりの挿絵を含んで....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
声に、鳴りどよむばかりであった。
その内に夜になった。老婆は炉《ろ》に焚き木を
加えると共に、幾つも油火《あぶらび》の燈台をともした。その昼のような光の中に、彼....
「葱」より 著者:芥川竜之介
よいよ佳境に入ろうとしているらしい。……
が、おれはお君さんの名誉のためにつけ
加える。その時お君さんの描いた幻の中には、時々暗い雲の影が、一切《いっさい》の幸....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
と交渉のある人々でございますが、この頃では、赤の他人の癖に、思いもよらない侮辱を
加えるものも、決して少くはございません。ある者は、無名のはがきをよこして、妻を禽....