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加之
「加之〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
加之の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「並木」より 著者:島崎藤村
出て来ます」 「そいつは大変だね。何しろ、家を移すということは容易じゃ無いよ――
加之《おまけ》に遠方と来てるからなあ」 相川は金縁の眼鏡を取除《とりはず》して....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
相当な苦痛であるが、此苦痛を忍びつゝ交通の便利の恩恵を謝さねばならんのだ。 ▲
加之ならず、電車がイクラ迅速でも、距離が遠ければ遠いほど時間を要する。逗子から毎....
「連環記」より 著者:幸田露伴
かりそうに思われる。然し恵心は如何にも謙虚の徳と自信の操との相対的にあった人で、
加之毫毛の末までも物事を曖昧にして置くことの嫌いなような性格だったと概解しても差....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
に出血する事あり。此痛みと出血するとは耐忍するも、如何せん払えども及ぶべからず。
加之眼胞は腫れて視る事を妨げ、口鼻より小虫は入るありて、為めに呼吸は困難となり、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
智の進歩に連れて次第に変化し、枝葉の点に於ては、必ずしも一致していないのである。
加之バイブルの中には、人間的|誤謬の夾雑物が少くない。これは霊媒という一の通信機....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
は殆ど此音を用いません。いずれ理由はあるのでしょう。 ところが雑踏の浅草境内の
加之真昼間往来中でこの掛声が掛かったのです。そうして何んと不思議な事には、いまし....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
行ったことがございます。 或日四郎は只一人で港を歩いて居りました。それは一月の
加之七日で七草の日でありましたので町は何んとなく賑かでした。南国のことであります....
「人形芝居に関するノオト」より 著者:竹内勝太郎
と音楽とを伴っていたので、忽ち巴里劇壇の一部を席捲して、確固とした地歩を占めた。
加之、直ちにこれの追従者と模倣者とが現れたのを見ても影響の大きさを想像することが....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
相手にする以上は二、三東京の俳友以外には分らず随って興味なき事は削られては如何。
加之品格が下る様な感じ致候。高見|如何。虚子、露月が俳人に重ぜらるるは俳道に深き....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
事ありと、或る老人の話しなるが、それか有ぬか兎に角、食物を与えざるも泣こと無く、
加之子供が肥太りて、無事に成長せしは、珍と云うべし。 ◎伊賀の上野は旧|藤堂侯の....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
リンやシャモの絞殺されるようなコロラチゥラ・ソプラノでもそこらここらで聴かされ、
加之にラジオで放送までされたら二葉亭はとても助かるまい。苦虫潰しても居堪まれない....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
像の及ばない位で、湯に行くにも提灯を持ってゆく。寄席に行くにも提灯を持ってゆく。
加之に路が悪い。雪融けの時などには、夜は迂濶歩けない位であった。しかし今日のよう....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
では甘受する事が出来ないで、先ず出発の門出からして不満足を感ぜざるを得なかった。
加之ならず、初めは覇心欝勃として直ちに西欧大家の塁を衝こうとする意気込であったが....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
すます明るくなって、人は次第に窓の方へ歩み寄る、其の人は女、正しく三十前後の女、
加之も眼眩きばかりに美しく着飾った貴婦人で、するすると窓の側へ立寄って、何か物を....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
奥へ入ったら、其留守に駐在所から火事が始って、到頭全焼になって了ったことが有る。
加之も駐在所が一軒|焼で、近所には何の事も無かった。其の巡査も後に病気になったそ....