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「加役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

加役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《とっし》の甚兵衛と幻《まぼろし》長吉、みんな好うござんしたよ。芝鶴《しかく》が加役《かやく》で宗吾の女房を勤めていましたが、これも案外の出来で、なるほど達者な....
丹下左膳」より 著者:林不忘
皺がにこやかにきざまれている。 「役人……と申すと、与力か」 「さよう。八丁堀、加役のたぐいであることは言うまでもあるまい」 「役人に似た侍が追いおとし――コウ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
けると、嘲《あざけ》るような語気で、 「むこうが中間、小者なら、こちらは、同心、加役《かやく》。……定廻り、隠密、無足《むそく》、諜者《ちょうじゃ》。……下ッ引....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
《いいかもんのかみ》さまの信任厚い町奉行、池田|播磨守《はりまのかみ》の用人や、加役の組下、三|廻《めぐ》りの旦那方などの下を働く者のあいだに、実に奇妙な変死が....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
にも料理の法がない。 そこで、ありきたりのすき焼き鍋に入れ、葱と春菊と唐芋とを加役として、ぶつぶつと立つ泡を去るために、味噌を落としたけれど、少しくさみがある....
香熊」より 著者:佐藤垢石
を飾っているが、そのとき熊肉のすき焼きをこしらえて二人でたらふく食ったのである。加役に根深と芹を刻んで鍋に入れ、少々味噌を落として汁を作り、それから賽の目に切っ....
食指談」より 著者:佐藤垢石
貫目食えるだろうかと笑うのである。しかしそれは無理だ。 まず、葱と牛蒡と豆腐を加役とし、鹿肉の味噌汁を作った。味噌は正田醸造の特製とはいえ素晴らしい鹿汁である....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
これだけあれば食いきれないのだけれど、次に出た鯨肉の水たきが俄然食欲を煽動する。加役に葱、新菊、豆腐の入った鍋の中を、賽の目に刻んだ鯨が泳いでいる。 食った、....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
れど、火を投ずれば直ちに滅すること水に異ならず。外祖父三木正啓翁(寛政年中御先手加役火附盗賊改役を勤めて有名なりし長谷川平蔵の弟なり)予が家に来りて環るる毎に外....
すっぽん」より 著者:佐藤垢石
の方から一合ほど汲み出して移し、これに真水一合を加えてさらに火に掛けるのである。加役は牛蒡を薄くそいだのがよろしかろう。再び充分に沸らせたならば、塩と醤油で薄く....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
をもって毒を制し、その甘味、その肥爛まことにたとうべからずというのである。さらに加役として支那|芹と菊の華をあしらい、ついで餅と狸の肉を入れるのだ。 つまり、....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
え。」 「あいよ。」と藤吉はなおもそこいらを見下しながら、「松さん、お前さんは御加役《おかやく》だ。一緒に考えて下せえよ。やい、勘、彦、手前たちも聞いておけ。―....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
で、結局|寿美蔵に廻りましたが、本来は宗之助か秀調という所でしょう。寿美蔵は飛だ加役を引受けて気の毒です。(五月五日)....
私本太平記」より 著者:吉川英治
流罪の地、越後ノ国へ物々しく送られて行った。――もちろん押送使には足利家の家士も加役として交じっている。 一方。 右馬介はといえば、それより一日早く、同じ道....
銀河まつり」より 著者:吉川英治
をとる試験をしてみたり、また、この近郷の山に檜の苗を植えるといって、あまり百姓を加役に引っぱり出したため、佐久間騒動などという一揆をひき起したりした象山という学....