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劣情
「劣情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
劣情の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
べきはずがない。この覩易《みやす》き理由はあるにも関らず無教育の青年男女が一時の
劣情に駆られて、漫《みだり》に合※《ごうきん》の式を挙ぐるは悖徳没倫《はいとくぼ....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
しい人が、自分のような者を手頼《たよ》って来てくれた、という事に対しての感謝で、
劣情などの如きは神様に食わしてしまえと 「布団を、じゃ、借りてきて」 「ええ」 ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
的、霊的のものは悉く影を潜めて、所得顔に跋扈するは、ただ酒色と、荒淫と、悪徳と、
劣情……若し汝にしてその実情に接触せんか、初めて闇の魔群の、いかに戦慄すべき害毒....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
く魂こめるのである。 夏は冷めたいタオルで、膝小僧のあたりまで、ふく。私は然し
劣情をころし、そういう時には、決して、狎れず、ただ忠僕の誠意のみをヒレキする。 ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
暑くて困るというような抗議じゃなくて、着物をきて以来、着物の裾がチラチラするたび
劣情をシゲキされて困る、というのだ。 ストリップが同じことで、裸体の魅力という....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、要するに彼らの本心なんだ。僕は、諸君が朝倉先生留任運動の美名に欺かれて、彼らの
劣情の犠牲にならないように、敢えてこの機会に警告する。」 「よけいなおせっかいだ....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
と思うだけのことでしょう。しかしもしも、これを見てわいせつだと思ったり、多少なり
劣情を感ずる人があるとすれば、それはよほど低級なアブノーマルな人間に違いありませ....
「おみな」より 著者:坂口安吾
間の脳裡には、汚辱の中の聖霊の代りに、モナリザの淫らな眼が映り、私の飽食を忘れた
劣情がそれをめぐって蠢めくことを忘れてはいない、その愚かさを白状しなければならな....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
も否その生命までも犠牲にして肯定しようとした愛は、世間の人たちが言うような単なる
劣情のためではなく、夫人の現実の生活よりももっと真実な、もっと純な、もっと高い、....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
燎爛と輝いた。 覚悟をしました。たしかに伝来の魔法にかかった。下司と、鈍痴と、
劣情を兼ね備えた奴として、この魔法にかからずにいられますか。 その上に大酔悩乱....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
い》に説あり「小山君、その事については第一番に人の心から負惜《まけお》しみという
劣情を引去らなければならん。負惜みの情は誰の心にも多少あるものだがいわゆる動物性....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。外聞の悪い。
大為事が無駄になってしまった。
不仁身になっている悪魔のくせに、
劣情や無意味な色気を出したからな。
世間を知った己が、子供らしい、
途方もない事....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
いるこういう女に対して、道徳上とやかく非難するのはあるいは過酷かも知れない。男の
劣情を挑発する一種の器械だと思えば、自分の見ない処で何をしていても更に咎《とが》....