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励ます
「励ます〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
励ますの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ダルを踏むようにやはり絶えず動いている。常子は夫を劬《いた》わるように、また夫を
励ますようにいろいろのことを話しかけた。
「あなた、あなた、どうしてそんなに震え....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
になり出したお敏に向って、「その間の事は何一つまるで覚えていないのですか。」と、
励ますように尋ねたそうです。と、お敏は眼を伏せて、「ええ、何も――」と答えました....
「或る女」より 著者:有島武郎
ておくのは少し変だと思います」
「それで……」
葉子は少し座を乗り出して古藤を
励ますように言葉を続けさせた。
「木村からは前からあなたの所に行ってよく事情を見....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
もくれないのに、生涯を費してこの穴を掘ったのは、それは今日にいたってもわれわれを
励ます所業ではありませぬか。それから今の五ヵ村が何千石だかどれだけ人口があるか忘....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
合わしいようだ」 そう言って君の友は、悒鬱な小柄な顔をひときわ悒鬱にした。君は
励ます言葉も慰める言葉も知らなかった。そして心とがめするもののようにスケッチ帳を....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
った微笑を頬に浮べて、品よくひかえ目にしているこの青年を、もっと大胆に振舞えと、
励ますように見えた。パオロは思い入ったようにクララに近づいて来た。そして仏蘭西か....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いと思ってやれば、いつまでたったって仕事は強くならない」 母は気づかって省作を
励ますのである。省作は例のごとくただにこりの笑いで答える。やがて八人用意整えて目....
「地中魔」より 著者:海野十三
しかしグズグズしている場合ではない! 「よオし、突進だッ」 三吉は自分で自分を
励ますように叫んで、その窓の中へ入っていった。内部には誰が拵えたのか階段があった....
「火星兵団」より 著者:海野十三
。冷たい、ひやりとした土が、先生に、
(さあ、しっかりして下さい、先生)
と、
励ますように、思われた。このしっとりとした土さえ、やがて間もなく、数十億年もすみ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
の眼には泪が一ぱい溜っていた。 「大丈夫。気をつけて行くんだよ」 彼はミチミを
励ますために、ぶっきら棒な口の利き方をした。そして屈托のなさそうな顔をして、乗客....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
拡げ、寛濶な胸を反らすと、 「二よ。」と、庄屋殿が鉄砲二つ、ぬいと前へ突出いて、
励ますごとく呵々と弥次郎兵衛、 「これ、その位な事は出来よう。いや、それも度胸だ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
「母様の記念を見に行くんじゃないか、そんなに弱くっては仕方がない。」 と半ば
励ます気で云った。 「いいえ、母様が活きていて下されば、なおこんな時は甘えますわ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
彳んで熟と見た、瞳が霑んで溜息して、 「立さん、立さん、」 と手を取ったまま、
励ますように呼掛けて、 「憎らしいではありませんか。あの芭蕉が伸拡がって、沼の上....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
の根本思想なのだ。そしてこの思想が、いっさいの変化のために必要な大胆さをどれほど
励ますであろうかは、すぐに分ることだ。 なおこの外でも、この世紀の間の人知の侵....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
んとにどうしていいか分らないんですの』 すっかり意気地なくなっている夫人を私は
励ますように云いました。 『あなたらしくもない、もっと元気をお出しなさいよ』 『....