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労する
「労する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
労するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尼提」より 著者:芥川竜之介
。ただ波羅門《ばらもん》や刹帝利《せっていり》だけは便器の中に用を足し、特に足を
労することをしない。しかしこの便器の中の糞尿《ふんにょう》もどうにか始末《しまつ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
うし》などの嵌《はま》り役じゃ。おれは眇《びょう》たる一|平家《へいけ》に、心を
労するほど老耄《おいぼ》れはせぬ。さっきもお前に云うた通り、天下は誰でも取ってい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て直ぐに払いを済したら好さそうなものだが、一先ず手許へ引取って、更めて夫子自身を
労するのは? 知らずや、この勘定の時は、席料なしに、そこの何とか云う姉さんに、茶....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
して立宗したのは、真の日本仏教が成立したことを意味する。 熱帯では衣食住に心を
労することなく、殊に支配階級は奴隷経済の上に抽象的な形而上の瞑想にふけり、宗教の....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
りゃおとよの事ゆえ、もちろん人の目に止まるようなことはせぬ。でそういう所に意志を
労するだけおとよの苦痛は一層深いことも察せられる。もとより勝ち気な女の持ち前とし....
「文明国には必ず智識ある高等遊民あり」より 著者:内田魯庵
るのは、見ように依ってはその国が貧乏だからである。遊民の多きを亡国の兆だなどゝ苦
労するのは大きな間違いだ。文明の進んだ富める国には、必ず此の遊民がある。是れ太平....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
で滑り下りる。雪は氷のようになっているからスケートのようだ。ステンメンの足が、疲
労することおびただしい。二十分で土が出た。二里の道を庭坂駅に着いた時には、後に昨....
「雪魔」より 著者:海野十三
いるわけにいかなかった。ことに今日は吹雪になるらしい天候で、お雪が行けばどんな苦
労するかしれないと思うと、だんぜん彦太は自分が身代りになることを申出たのだった。....
「火星探険」より 著者:海野十三
から火星へ行ってみたい」 「どうせわれわれは火星探険協会員だから、火星へ向って苦
労するのは元より覚悟の上です。行きましょう、火星へ」 乗組員たちは皆火星へ行き....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、 「変ったお慰だね、よくそして見付けますなあ。」 「ははあ、なんぞ必ずしも多く
労するを用いん。国民皆|堕落、優柔|淫奔になっとるから、夜分なあ、暗い中へ足を突....
「妖怪学」より 著者:井上円了
レ」といえば寄るなり。 これについて説を起こすものありて、棒の動揺するは手の疲
労するによるというも、両方の前端相合するの理、いまだ解すべからず。また、別に説を....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
幸ひとたび先生の網羅にかかり、この籠裏に入りしより、食を得、飲を求むるにおいては
労することなしといえども、かの空中自在の飛揚に比すれば、その苦と歓とは果たしてい....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
よりて不覚の起こるゆえんを考うるに、すべて活動物は一定の時間活動を営めば、必ず疲
労するの規則を有す。身体を役すれば身体の上に疲労をきたし、心性を用うれば心性の上....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
とうなんて余り虫が好すぎるよ、あんたはお金持ちのお嬢様だもの、出来もしない芸で苦
労するより、お嫁に行ったらいいじゃありませんか。まゆみちゃんのような人なら芸を捨....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
となる。国防国家とは軍は軍事上の要求を国家に明示するが、同時に作戦以外の事に心を
労する必要なき状態であらねばならぬ。全国民がその職分に応じ、国防のため全力を尽す....