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「労作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

労作の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
から親んでいる。それらの物を見るにつけても、彼はおのずから今の失敗が、彼の一生の労作に、暗い影を投げるような――彼自身の実力が根本的に怪しいような、いまわしい不....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かへ分け入ってゆくような奇観だった。さいしょは、疲労と空気の稀薄なためおそろしい労作だったが、だんだん先へゆくにしたがい氷質が軟かくなる。しかも、地表とはちがい....
単独行」より 著者:加藤文太郎
血汐が躍るのでは更にない。「白い芸術」は私には余りに遠い世界に距っており、|氷の労作は私には肉体的にも精神的にも余りにも大きな負担であり、痛苦と屈服をのみ与えこ....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
賊が、この辺到るところに自生している。 材木小舎があって、男女七、八人、精々と労作をしている、木は唐檜が多く、飯櫃の材料に、挽き板に製している、晃平を使いに立....
学生と読書」より 著者:倉田百三
一 書とは何か 書物は他人の労作であり、贈り物である。他人の精神生活の、あるいは物的の研究の報告である。高く....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
にとっては、美よりも重大なものであった。彼の爾後の作家生涯は、その善を探求すべき労作だったと称しても好い。この道徳的意識に根ざした、リアリスティックな小説や戯曲....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
少し前に本篇を「自分のこれまでに書いた最上の物語」として期待したが、作家が最近の労作を自己の最上の作と考えやすい傾向などをも考慮に入れても、要するに、この「二都....
科学的新聞記者」より 著者:桐生悠々
であり、理会の代用品であり、哲学のマルガリンである。科学的新聞記者の態度は創造的労作者のそれを学び、これらの労作者が考えまた行うところのものを報告しなければなら....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
)設計通りに完成終結したというは余り聞かない――というよりは古今に例のない芸術的労作であろう。無論、芸術というは蟻が塔を積むように長い歳月を重ねて大きなものを作....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
営んで下さった由、天香さんから便りがありました。本田さんは一燈園で満足して日々の労作にいそしみつつ念仏の生活を送っています。虚栄心の少ない、誠実な彼女のような性....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
命を縮めるような製作を嫌っていた。十日一水を画き五日一石を画くというような煩瑣な労作は椿岳は屑しとしなかったらしい。が、椿岳の画は書放しのように見えていても実は....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
く秋江の熱心なる努力の結果であった。 有体にいうと『其面影』も『平凡』も惰力的労作であった。勿論、何事にも真剣にならずにいられない性質だから、筆を操れば前後を....
遁走」より 著者:葛西善蔵
主意ではなかったので、ほんの彼の親しい友人だけが寄って、とにかくに彼のこのたびの労作に対して祝意を表そうではないかという話からできたものなのだ。それがいつか彼の....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
や崇拝の情に高められようとしているとき――いまや、エセックスのためになした長年の労作が、まさに成功の実を結ぼうとしているときに! というのは、実際に、アントニ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
長慶天皇御在位の研究』中村直勝氏『南朝の研究』など、しかし歌については川田順氏の労作『南朝の悲歌』正続篇『宗良親王』が傑出した収穫であって、近くは『新葉集』中最....