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労役
「労役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
労役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
二のバケツへ移し、更に又第二のバケツの水を第一のバケツへ移すと言うように、無用の
労役を強いられた囚徒の自殺することを語っている。信輔は鼠色《ねずみいろ》の校舎の....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
葉を換えていえば、私は鋭敏に自分の魯鈍を見|貫《ぬ》き、大胆に自分の小心を認め、
労役して自分の無能力を体験した。私はこの力を以《もっ》て己れを鞭《むちう》ち他を....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
」 風が寒いのを感じるなんて、何という幸福なことだろう。私は五年間に貰いためた
労役の賃金の入った状袋をしっかりと握りながら、物珍らしげに、四辺を見廻したのだっ....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
奴隷となり、又は、何か他の物の奴隷となって、朝から晩まで休息することもなく日々の
労役に曳きずられる君よ。それによって、君はやっと生活を凌いで夢の裡に安息すること....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
意味も無い傍見に過ぎないと、かの女は結論をひとりでつける。そして思いやり深くその
労役の彼等を、あべこべに此方から見返えすのであった。 陽気で無邪気なかの女はま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
精神の慰安とに心を用いるなら、凡そ天下にそれほどよきものはないのであろう。過度の
労役の為めに消耗せる体力が、心地よき安静によりて完全に本復せる時、はげしき屈托の....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
みである。この応え歌は、「檀那よ、そう威張りなさるな、若し村長さんが来て、税金や
労役の事でせめ立てるなら、あなたも半分になってしまいましょう。どうです」というの....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ヴァーンスさんという老婦人が好きだった。エヂプトでイスラエルの人民が煉瓦づくりの
労役などに酷使される絵を鞭でさしつつ話してくれた。 こうした幼な心におぼろに印....
「火の扉」より 著者:岸田国士
読みとれる。めい/\が肩にめりこむほどの荷物は背負つているが、あたかも強いられた
労役に服しているような足どりで、たゞ、前へ前へとのめり歩いていた。 行くあての....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ぼすは、みな人の知るところなり。例えば、暴食過飲して腸胃の上に病患を起こし、過度
労役して四肢の上に傷害をきたすがごときは、いわゆる身部より生ずる病なり。しかして....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、市中布教会、軍中布教会、神典出版会等あり、防護、慈善、救助に関したるものには、
労役者保護会、婦女子保護会、寡婦、小児、老人、水夫、免役者(兵役・懲役とも)、外....
「西航日録」より 著者:井上円了
。その中に、貧民の乳児を一日限り委託を受くる組織あり。すなわち、乳児ありて出でて
労役をとることあたわざるものは、銅貨一文を添えてその子を託すれば、終日飲食を授け....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
て、公には夫婦親子の関係をも認められず、牛馬と同じく全く主人に飼養せられて、単に
労役に従事し、主人の任意に売買譲与をもなしえた程で、全くその人格を認められなかっ....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
賤民のうちにも、国家に属したものと、個人に属したものとありまして、いずれも下級の
労役に服したものと存じます。 天皇陛下は上にましまして、多くの貴族の長にておわ....
「濫僧考」より 著者:喜田貞吉
しかしながら、その狭義の濫僧の中にも、さらに最狭義の濫僧は、自ら遊芸あるいは
労役に生活するの力もなく、都邑人士の慈悲善根に依頼して、食を求めて生活する徒であ....