労金[語句情報] »
労金
「労金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
労金の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
り出した。
はたしてそれは免職と、退職慰労との会社の辞令だった。手紙には退職慰
労金の受け取り方《かた》に関する注意が事々しい行書《ぎょうしょ》で書いてあるのだ....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
たが遂には、この場合無理もない、強《しい》て止めるのは却って気の毒と、三百円の慰
労金で放免してくれた。 実際自分は放免してくれると否とに関らず、自分には最早《....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
に、海底牢獄につながれていた囚人までが解放されたうえ、これにもやはりそれ相当の慰
労金をさずけられ、甲板へさしてにこにこ顔で現れたのには、皆をさらにおどろかせたり....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
なんの苦労もなくエンゼルの申出に応じうる資格があったのである。 放二は今度の慰
労金に、旅行して疲れをやすめてこいと、せつ子から十万円もらっていた。その一部に手....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
屋に七八年の年期を終えて、ようやく一人前の若者となった人があった。主人は若干の慰
労金を与えていうに、お前は開店しても決して我と同業を営んではならぬ。よろしく他に....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
長い間支配人として、どんなに店を富ませたか知れないので、莫大《ばくだい》もない慰
労金が分けられることになったまま、父親が死に、主家の主人が二代つづいて死んだので....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
んでか、それとも、ほかの理由でか、声をあげて泣きながら、おれにくれるべき約束の慰
労金を三分の一に値切った。もっともそれとても一生食うに困らぬくらいの額だったが、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
て、美術御奨励のためにという上の厚い思し召しであるので、年金を給したのはいわば慰
労金といったようなもので、多年|我邦の美術界のために尽くした功労をお褒めになった....
「瘤」より 著者:犬田卯
から、農会や信用組合まで喰いかじって半身不随にした揚句、程もあろうに八百円の「慰
労金」まで、取って辞めたという存在――いわゆる「札つき者。」 「まったく奴は村の....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
とよ。 小作官などは「この事件を無いことにしてくれれば、岸野さんからお前等に慰
労金を出させてもいいんだが、――社会のためにも、その方がいいんだ」と云ったものだ....
「上海」より 著者:横光利一
の下で確に殺されていたんだが、どうだ、それは僕が殺したのと同様なんだよ。僕にその
労金をくれられないものかね。僕はもう金がなくなって困っているんでね、冗談じゃない....