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効能
「効能〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
効能の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にはいろいろのことがある」と、半七はうなずいた。「だが、まあ、ここまで足を運んだ
効能はある。それでもう大抵|見当《けんとう》は付いたが、今度はその鬼っ児の出どこ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
更逸することのできない話である。 なんかと云って筆者は、話の最初に於て、安薬の
効能のような台辞をあまりクドクドと述べたてている厚顔さに、自分自身でも夙くに気付....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
で書いてあって、疲労をいやし、精神をさわやかにし、意志を強くし、視力をととのえる
効能があるために大いに重んぜられた。ただに内服薬として服用せられたのみならず、し....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
「お見せしましょうか。」 「恐らく不老長寿の薬になる――近頃はやる、性の補強剤に
効能の増ること万々だろう。」 「そうでしょうか。」 その頬が、白く、涼しい。 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
的なものではありません。ごらんなさい。これは偉い医者から証明された妙薬です。その
効能の顕著なことは、実に神のようだということです。これはあなたの恐ろしいお父さん....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
に遣っておりました処、さあ、盲目が開く、躄が立つ、子供が産れる、乳が出る、大した
効能。いやもう、神のごとしとござりまして、所々方々から、彼岸詣のように、ぞろぞろ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
うたですが、まだ一頭、脳味噌もあるですが。脳味噌は脳病に利くンのですが、膃肭臍の
効能は、誰でも知っている事で言うがものはない。 疑わずにお買い下さい、まだ確な....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
てる。 「さあさあ召して下さい、召して下さいよ。御当地は薬が名物、津々浦々までも
効能が行渡るんでございますがね、こればかりは看板を掛けちゃ売らないのですよ。一家....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
では菩薩の化身とさえしてある。……第一膝を折った身躾の可い処を見ろッて、さんざん
効能を言ったではありませんか。」 と、もう小児も寝たので、掻巻からするりと出て....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
』覚えずそう言って御免を蒙って了いましたが、この事は大へん私の心を落つかせるのに
効能があったようでございました。 まだ外にもいろいろありますが、あまりにも愚か....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
参事官がなんの気なしにそれをはいたまま東通へ出ますと、もうすぐと、うわおいぐつの
効能があらわれて、クナップ氏はたちまち三百五十年前のハンス王時代にまでひきもどさ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
っても平気でいます。それでわたくしはやすやす斧を揮えるのです」 荘子は「無心の
効能」に思い入りながら少女を顧みた。少女は侍女の一人から半塊の柘榴を貰って種子を....
「迷信解」より 著者:井上円了
のできぬは、分かりきったことである。これを伝染病にあれ痼疾にあれ、何病にも用いて
効能あるように思うは愚の至りではないか。御札、御守りもこれと同じく、神仏を信念す....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に陥りません。必ず一部、長所と恩恵とを認めて、これを善用します。仏教ほど敵や讐の
効能を説く教えは他にありません。 第三に自由な気持ちです。 私たちが毎日向い....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ったのだった。 旅順へ着いてから間もなく、例の豆本“美文之資料”のとんでもない
効能がさっそく現われた。私は谷口組の下請けをやっている菊本氏の家に厄介になりなが....