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勅任
「勅任〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勅任の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
思う?】そうはいっても、根は善良な人間で、同僚ともよく、人にも親切であった。ただ
勅任官という地位がすっかり彼を混乱させてしまったのである。
勅任官の位を授かると、....
「出世」より 著者:菊池寛
ければならないと思ったあの男が、立派に出世している。それは、判任官が高等官になり
勅任官になるよりも、もっと仕甲斐《しがい》のある出世かも知れなかった。獣か何かの....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
主人にしたところが見事な主人じゃない。主人中の属官なるものだあね。主人になるなら
勅任主人か少なくとも奏任主人にならなくっちゃ愉快はないさ。ただ下宿の時分より面倒....
「入社の辞」より 著者:夏目漱石
士が穴籠《あなごも》りをしている所かも知れない。二三十年|辛抱《しんぼう》すれば
勅任官になれる所かも知れない。其他色々|便宜《べんぎ》のある所かも知れない。成程....
「近頃の話題」より 著者:宮本百合子
先頃帝国芸術院が出来、顔ぶれがきまった時、その一員となった或る文学者の近親が、
勅任官待遇で野たれ死にしたら面白いことだね、という意味をいったそうである。そうい....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
さえも強いようとはしない。これは官等の高下をも明かにしない予にとって、白頭と共に
勅任官を賜るよりは遥に居心の好い位置である。この意味に於て、予は予自身の為に心か....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
しそれは単に形式的に考えるからそうなのであって、内容的に当って見れば、その内には
勅任から雇員人夫にさえ至る階級別があるのである。雇員の下っ葉役人や人夫である小使....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
長から、京都帝大の学生課長として乗り込んだ人である。多分赤色教授への重しの意味で
勅任の学生課長を必要とする処から、選ばれたという噂であったが、学生課には過ぎ者の....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
ょ、じょ、冗談を言っちゃいけない。そんなことはできません。……わたしは、これでも
勅任官ですからね。いくらなんでも、盗みを働くというのは困ります」 石亭先生は、....
「或る探訪記者の話」より 著者:平林初之輔
ざらにあるのだ、が。 * * * だいぶ古い話だが××大学の
勅任《ちょくにん》教授の遠藤博士が(もちろんこれは仮名だが)「胎教」について新学....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
なってスッカリ書生風となってしまった。竹馬の友の万年博士は一躍専門学務局長という
勅任官に跳上って肩で風を切る勢いであったから、公務も忙がしかったろうが、二人の間....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
、総理大臣あるいは陸軍、大蔵等の各大臣になることが出来る。そうならなくてもつまり
勅任官位の役目はいつでも持って居るです。しかしヤブシーというのもラサの法王につい....
「人格を認知せざる国民」より 著者:新渡戸稲造
を度《はか》ったり、衣服で人を度ったり、ないしは成功で人を度ったり、官吏ならば、
勅任だの、奏任だのと、官等で人を度ったり、あるいはまた学問や技芸で人を度ったりし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
あらって、其の人の身分を調べた上に、智慧が有るとか財産が有るとか、官員に成っても
勅任にでもなれる人には惚れても宜いが、只顔の綺麗なのを見て浮気な岡惚をするのは、....
「日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
阪大が出来る時当然理学部の主座たるべき処を、長岡総長か誰かが承知しないので、今は
勅任教授待遇の講師の身である。初等数学や実用数学の価値を評価すること高く、統計数....