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「勇み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勇みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
更《なおさら》の事でございます。これは、仇討《あだうち》の真似事を致すほど、義に勇みやすい江戸の事と申し、且《かつ》はかねがね御一同の御憤《おいきどお》りもある....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
たちまち真一文字《まいちもんじ》に重玄の天額をかい掴《つか》みぬ。清八は得たりと勇みをなしつつ、圜揚《まるあ》げ(圜《まる》トハ鳥ノ肝《きも》ヲ云《いう》)の小....
或る女」より 著者:有島武郎
さ》えよう抑えようとしても軽くはなやかにばかりなって行った。決戦……と葉子はその勇み立つ心の底で叫んだ。木村の事などはとうの昔に頭の中からこそぎ取るように消えて....
或る女」より 著者:有島武郎
てて差し上げますわ」 この思い付きは葉子には強い誘惑だった。葉子は一も二もなく勇み立って承知した。 その晩十一時を過ぎたころに、まとめた荷物を人力車四台に積....
星座」より 著者:有島武郎
だとはいえ、格別の因縁《いんねん》もない一人の少女に英語を教えるということ。ある勇みをもって……ある喜びをすらもって……柄《がら》にもない啓蒙的《けいもうてき》....
婦系図」より 著者:泉鏡花
らお前の処へ出掛けるんだ。」 「ええ!」と云ったが、何は措いても夜が明けたように勇み立って、 「じゃ、あのこちらから……角の電車へ、」と自分は一足|引返したが、....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
て動かないものが始めて君たちの前に現われたのだ。それを見つけた時の漁夫たちの心の勇み‥‥魚が水にあったような、野獣が山に放たれたような、太陽が西を見つけ出したよ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。誠実がある。そこには純粋と凡てとがあるのだ。だからお前は誠実を見出したところに勇み立つがいい、恐れることはない。 起て。そこにお前の眼の前には新たな視野が開....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
そいそと、続いて廻廊のはずれに集り、貴女は一。私は二。こう口々に楽しげに取定め、勇みて賽を待つ。) 可いか、(片手に書を持ち、片手に賽を投ぐ)――一は三、かな川....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
那様。 人ごみの処をおしもおされもせず、これも夫婦の深切と、嬉しいにつけて気が勇みますので、臆面もなく別の待合へ入りましたが、誰も居りません、あすこはまた一倍....
燕と王子」より 著者:有島武郎
えましょう。天の助けがあるから自分は眼病をなおした上で無類の名画をかいて見せると勇み立って医師の所にかけつけて行きました。 王子も燕もはるかにこれを見て、今日....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
思うと、まるで電気に打たれたように、ピストルは手から落ちてしまいました。これには勇み立った遠藤も、さすがに胆をひしがれたのでしょう、ちょいとの間は不思議そうに、....
良夜」より 著者:饗庭篁村
ライ者になりに行くぞ目出とう送りてやれよとて、親族よりの餞別見送り、父はそれらに勇みを付けて笑いを作りて居られたれど、母はおろおろとして、「宜いかエ周吉、気をお....
式部小路」より 著者:泉鏡花
さんは忘れて行ったに。あいかわらず、対手さえありゃいがみ合うんだよ。」 愛吉は勇みをなし、 「対手、対手は紋床の親方だけだ。稲荷に仕込まれましたお庇にゃ、剃刀....
活人形」より 著者:泉鏡花
一まず家に立帰りて、近隣の壮佼の究竟なるを四人ばかり語らいぬ。 各々興ある事と勇み立ち、読本でこそ見たれ、婦人といえば土蜘蛛に縁あり。さしずめ我等は綱、金時、....