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勇み立つ
「勇み立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勇み立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
さ》えよう抑えようとしても軽くはなやかにばかりなって行った。決戦……と葉子はその
勇み立つ心の底で叫んだ。木村の事などはとうの昔に頭の中からこそぎ取るように消えて....
「或る女」より 著者:有島武郎
しく周囲に目を配ってその顔を両手にはさみながら自分の口びるを与えてやった。倉地は
勇み立つようにしてまた土の上にしゃがみこんだ。
倉地はこうして一日働き続けた。....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。誠実がある。そこには純粋と凡てとがあるのだ。だからお前は誠実を見出したところに
勇み立つがいい、恐れることはない。 起て。そこにお前の眼の前には新たな視野が開....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
カン》は無造作に飛び乗る。喨々《りょうりょう》たる喇叭の音起る。舞台全面の軍勢、
勇み立つ。 成吉思汗《ジンギスカン》 (馬上に剣を引き抜き進軍!) 騒然た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
員も、みな緩和の目的のために費されるのだということを、王国の民が皆、納得しながら
勇み立つ。その勇み立ち方が、平和に向っての希望ある勇み方で、戦争に対する捨身的な....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
気持になるのであった。 さあ按吉がチベット語の伝授を受ける快諾をすると、先生の
勇み立つこと、それ教科書だ、辞書だ、文法書だ、参考書だ、チベットの事情に関する紹....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
これからはかえって誰にも気兼なしに、正木の家に居れるような気さえした。彼はむしろ
勇み立つようにして答えた。 「僕、きっと母さんの看病が出来るよ。」 「そうか。で....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
このスケートは相当のシャンだね。まづ最初にこの子のところへまはつて――」 と、
勇み立つこと限りもない。これは大変な助手を頼んでしまつたと小生甚だ怖れをなしたが....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
隊、一人も手傷を負った者がない。要領のいい奴らで、戦争を遊山と心得てかりそめにも
勇み立つようなところがない。しばらく旅にでるのも面白かろうと、江戸を逃げのびて、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
らしさ、頭の悪さ、そのままである。自分の家の近所と、主人と一しょの時だけは無性に
勇み立つ。むやみによその犬とケンカをしたがる。そのくせシェパードのようなはるかに....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
なかをのぞいてみると、そこにうす暗い洞穴の入り口を見た。 「待てよ」 富士男は
勇み立つ三人をとめて、かれ草をあつめてそれに火をともし、洞穴へさしいれた、そうし....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ヌは、 「あら! お化けが出て来たの。耳よりな話ね、今晩はあたしにも見せてね」と
勇み立つ。コン吉はうらめしそうにタヌの顔を見ながら、 「見せるも見せないも、僕が....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
路伝いに隣へ行けば、もう蚊帳を吊っているのが見えて、ここにも怪我人がいるわいと、
勇み立つ。 夜十時、犬継地区を全部診て回り、蝮《まむし》をいましめながら山路を....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
、人のあまりに注意していない附合であるが、変化の面白さのよく現われているのは、「
勇み立つ鷹引すうる嵐かな」という発句をもって始まっている一聯である。これもその中....