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「勇姿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勇姿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
上までは本沢へ向って相当大きな雪庇がつづいていた。当にしていた真正面の槍・穂高の勇姿には接することができなかった。小屋へ帰った頃には天候がだいぶ良くなり、青空が....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
政例の水牛の角の甲を被って宗茂の陣に来り、一方を承ろうと云った。宗茂の軍、長政の勇姿を見て奮い立ったと云う。宗茂長政二人とも、二十五歳で、正に武将の花と云ってよ....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
んの四五人ぐらいのこともあった。くりくり坊主の桃川如燕が張り扇で元亀天正の武将の勇姿をたたき出している間に、手ぬぐい浴衣に三尺帯の遊び人が肱枕で寝そべって、小さ....
十姉妹」より 著者:山本勝治
、どうしても口に出しては攻撃しかねる様だった。それに慎作の演説会場に於ける一種の勇姿も、鳥渡捨てかねる風でもあった。兎も角、父と母との思惑は水銀の様に動き易く難....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
の垣だ! しかし川上機関大尉は、まだ電話機を離さなかった。生死を超えた毅然たる勇姿だ。 「――大日本帝国、ばんざーい」 その声が終るが早いか、電話機は紐線も....
丹下左膳」より 著者:林不忘
さまのお墨つきをつかんで、源三郎が首尾よく邸内へ押しこんだ時も、かれのさわやかな勇姿を支えていたのは、このたくましい栗毛の馬背《ばはい》であった。 今この馬の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
私の方はざっとこうゆう工合です。 富雄さんから写真が届きましたか。裏に最近の勇姿、と書いてありましたか? やっぱりあの人ね、二百枚もうちへ写真を送っているん....
神経衰弱的野球美学論」より 著者:坂口安吾
ならした捕手、僕も大きい方だが、千谷さんはもう二廻りぐらい大きく、僕はグランドの勇姿を見なかったが、守備よりも打撃に秀で、四番を打った好打者だったそうである。妙....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、彼は下駄ばきに、背に鉄カブトをくくりつけ、それが消防団員石川淳の戦備ととのった勇姿の全部であった。 熱海の大火では、空襲下の火災の錯乱が見られた。つまり多く....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
《か》みちぎられていたにちがいない。 恐しい海だ!――さすがの彼も蒼くなった。勇姿をあらわす昭和遊撃隊 清少年は、兄大佐に散々叱られた。そして、彼が叱られて....
小説 円朝」より 著者:正岡容
風のものばかりだった。国芳日頃の酔中の大気焔は、凝ってことごとくこの画中の武者が勇姿となるかとおもわれた。 何ともいえぬ芸術的満足感に満身を燃やしながら次郎吉....
私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
部劇は当時も相当な流行で、二挺拳銃をさっそうとかまえる、ウイリァム・S・ハートの勇姿、アリゾナやユーコン河を背景に、西部の荒男が娘の純情と誠実に自分の恋をあきら....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
たものであります。その像を髪に籠められて眦を決して睨み立たれた美しく若き皇子の御勇姿は、真に絵のようであったろうと拝察されます。摂津の四天王寺は、このとき勝利を....
三国志」より 著者:吉川英治
は、恋の貂蝉を亡い、今また争覇の地を失って、呂布のうしろ影には、いつもの凜々たる勇姿もなかった。 好漢惜しむらくは思慮が足らない。また、道徳に欠けるところが多....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
躯、 ハーレムの王である。 うわおう。 再び彼は咆哮した。 堂々たるその勇姿、絶倫の性慾、全身の膨脹、悪戦苦闘の恐るべき忿怒相と残虐性|亢奮とは今や去っ....