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動く
「動く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
動くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
は動かない。この現代と縁のない洋服を着た、この現代と縁のない老人は、めまぐるしく
動く人間の洪水の中に、これもやはり現代を超越した、黒の中折をあみだにかぶって、紫....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
阿濃は、こうして、次第に明るくなってゆく京の町を、目の下に見おろしながら、胎児の
動くのを感じるごとに、ひとりうれしそうに、ほほえんでいるのである。
....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
。内供は横になって、鼻を床板の上へのばしながら、弟子の僧の足が上下《うえした》に
動くのを眼の前に見ているのである。弟子の僧は、時々気の毒そうな顔をして、内供の禿....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
町内の頭《かしら》が、中《ちゅう》っ腹《ぱら》で云ったのである。けれども、平吉は
動くけしきがない。
すると頭《かしら》の隣にいた髪結床《かみゆいどこ》の親方が....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
車をめぐっていた覆面の頭《かしら》が、互に眼を見合わしながら、一しきりざわざわと
動くようなけはいがございましたが、やがてそれがまた静かになりますと、突然盗人たち....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
振返ったが、やがてその半白な髭《ひげ》に掩《おお》われた唇に、ちらりと微笑の影が
動くと、心もち山高帽を持ち上げながら、「やあ」と柔《やさ》しい声で会釈《えしゃく....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
、どうも生きているような心もちがする、現に長い鬚《ひげ》などは、ひとりでに左右へ
動くらしい。――と思う中にそれもだんだん視野の外へ泳いで行って、そこから急に消え....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
ない》の実をつづる下に暗くよどんでいる濠《ほり》の水から、灘門《なだもん》の外に
動くともなく動いてゆく柳の葉のように青い川の水になって、なめらかなガラス板のよう....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
が、それでもなお、月に二、三度は、あの大川の水をながめにゆくことを忘れなかった。
動くともなく動き、流るるともなく流れる大川の水の色は、静寂な書斎の空気が休みなく....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
をする。根の所で、きたない黄いろになっている髯も、それにつれて上下《うえした》へ
動く、――それが如何にも、見すぼらしい。
李は、この老道士に比べれば、あらゆる....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
心を相手に訴えるだけの勇気もなかった。若者は彼の醜い顔に躊躇《ちゅうちょ》の色が
動くのを見ると、わざと冷やかに言葉を継《つ》いだ。
「御嫌《おいや》なら仕方はあ....
「運」より 著者:芥川竜之介
あばら家《や》だから、中は鼻がつかえるほど狭い。が、簾の外の往来が、目まぐるしく
動くのに引換えて、ここでは、甕《かめ》でも瓶子《へいし》でも、皆|赭《あか》ちゃ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
に池の端から電車へ乗ったら、左の奥歯が少し痛み出した。舌をやってみると、ぐらぐら
動くやつが一本ある。どうも赤木の雄弁に少し祟られたらしい。 三十日 朝起きた....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
ど、消極的に強きはあらざるべし。久保田君をして一たびあきらめしめよ。槓でも棒でも
動くものにあらず。談笑の間もなお然り。酔うて虎となれば愈然り。久保田君の主人公も....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
った新しい研究であった。 一八二〇年にエールステッドが電流の作用によりて磁針が
動くのを発見したのが初まりで、電流と磁石との研究が色々と始まった。その翌年にファ....