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動物的
「動物的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
動物的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
じことで、下顎骨《かがくこつ》の張った頬のあたりや、やや大きい口の周囲に、旺盛な
動物的精力が、恐ろしいひらめきを見せていることは、ほとんど壮年の昔と変りがない。....
「春」より 著者:芥川竜之介
気がし出した。彼女の経験に誤りがなければ、干し草の匂のする男性はたいてい浅ましい
動物的の本能に富んでいるらしかった。広子はそう云う篤介と一しょに純粋な妹を考える....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
だり、所謂光栄を好んだりするのは今更此処に云う必要はない。機械的訓練を貴んだり、
動物的勇気を重んじたりするのも小学校にのみ見得る現象である。殺戮《さつりく》を何....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
に、自分の矜恃《ほこり》が凋《しぼ》んでゆくのを、眺めるよりほかになかった。あの
動物的な、掠奪《ひった》くるような要求には――それに慣れるまで、彼女は幾度か死を....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
な思いつきとはいえないが、それは兎も角、数を読むならば黙って読めば良いのである。
動物的に浅ましく声を出し、おまけにその声が顫えるなど以ての外である。 しかし、....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
飼犬と山羊を相手にころがりまわりました。彼のがっしりした、私には寧ろ恐ろしい程な
動物的な感じのする体が、真白な山羊の体と一緒に犬に追われながら、まるで子供の体の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
べては祭日に処する人間の態度如何にかかる。羽目を外した昂奮、則を越えた置酒高会、
動物的な慾情の満足――人間がこれに走れば、勿論祭日は有害である。しかしこれは祭日....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
りしないかと申し出たのであった。 四月三十日の午後、私はその時ほど血気と単なる
動物的精力とを身内に溢るるように感じたことはかつてなかった。キッティはわたしの様....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
な、しかも透き通った声で答えました。 「あの男や女は、私たちが犯したような罪……
動物的恋愛の罪のために、神様を悲しませた人たちです。煉獄の境いから来た霊魂たちで....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
ないのも同然であった。 その位混むと、乗客は次第に人間らしい感覚を失って、自然
動物的な感覚になって、浅ましくわめき散らすのだったが、わずかに人間的な感覚といえ....
「春」より 著者:岡本かの子
と息を吐いたが、そのはずみに足が動いて、開け放しになっていた玄関の中へするすると
動物的なすばしこさで遁げ込んでしまった。 女中部屋へ駆け込んだ京子は、針仕事を....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
親切を老人に売りこみたがった。実際彼等多くの親戚が、この気むずかし屋の癇癪もちの
動物的な汚れが浸みこんでいるように見える老人の周囲に出没するのは何も心から、この....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
として男の前で無意識にも女らしさを見せる恰好が、無意識であるだけ余計に強く早熟な
動物的本能のようなものを感じさせて多可子を不快にした。多可子は結核の子供は結核菌....
「酋長」より 著者:岡本かの子
功利と享楽に就て打算が速かな現代人の眼色の動きをちょっと見せたが、すぐ霊明で而も
動物的な澄んだ眼に立直って言った。 「飛行機乗りになりたいんだがおやじが許さない....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
えねばならぬ。 日本に於てさえ道義より力、物を中心としていた時代が多い。覇道は
動物的本能であり、王道への欲求、憧憬が人間の万物の霊長たる所以である。今後も人類....