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「動転〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

動転の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女の決闘」より 著者:太宰治
。謂わば、眼から鼻に抜けるほどの才智を持った男であります。普通、好人物の如く醜く動転、とり乱すようなことは致しません。やるなら、やれ、と糞度胸《くそどきょう》を....
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
男子誕生の喜びも束《つか》の間《ま》、いまはラプンツェルの意味不明の衰弱に、魂も動転し、夜も眠れず、ただ、うろうろ病床のまわりを、まごついているのです。王子は、....
仇討三態」より 著者:菊池寛
て、二の腕にあったのが、ちょっと気になった。が、すぐ、母は夫を打たれたときに気が動転していたために、相手の眉間に飛びついていた血潮を、手傷だと思い違ったのだろう....
新ハムレット」より 著者:太宰治
は、もう私は、あんな具合だと末の見込みも無いような気がします。ささいな悲しみにも動転して、泣くやら、ふてくされるやら、――」 ホレ。「お言葉に逆らうようですが....
能とは何か」より 著者:夢野久作
く云えば一種の骨董芸術で、現代人に呼びかけるところは一つもない。世紀から世紀へ流動転変して行く芸術の生命とは無論没交渉なものである」 なぞと云うのは、まだ多少....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
かけてみたが、これにさえ当らぬもの、金内殿も、おおかた海上でにわかの旋風に遭い、動転して、流れ寄る腐木にはっしと射込んだのでなければ、さいわいだがのう。」と、当....
能ぎらい/能好き/能という名前」より 著者:夢野久作
手早く言えば一種の骨董芸術で、現代人に呼びかける処は一つもない。世紀から世紀へ流動転変して行く芸術の生命とは無論没交渉なものである」 なぞと言うのはまだ多少お....
丹下左膳」より 著者:林不忘
の剣士ではない。 タタタタッ! と続けざまに堅い音の散ったのは、左剣上下左右に動転《どうてん》して豆太郎の小刀をたたきおとしたのだった。 「あっ!」 この剣....
決闘」より 著者:神西清
両手をとって自分の胸に押しつけると、ひどく興奮のていで、 「あなた、あたくしもう動転してしまってどきどき言っておりますのよ。昨日|主人のニコヂームが、あの私たち....
五重塔」より 著者:幸田露伴
たものか、あまりといえば狭隘な根性、よしや仔細を聴いたとてまさか私が狼狽えまわり動転するようなことはせぬに、女と軽しめて何事も知らせずにおき隠し立てしておく良人....
三国志」より 著者:吉川英治
、赤兎馬はなお健在なりや」と、呼びかけた。 事の不意と、意外な敵の出現に呂布は動転していたが、是非なく、馬を返して戦った。 ところへまた、 「兄貴、その敵は....
遠野物語」より 著者:柳田国男
取られ、昼飯を食いに帰ることを忘れしために助かりたり。不意の主人の死去にて人々の動転してある間に、遠き近き親類の人々、或いは生前に貸ありといい、或いは約束ありと....
はつ恋」より 著者:神西清
手段だった)、そのまま自分の部屋へ戻った。 ジナイーダの涙で、わたしはすっかり動転してしまった。わたしは、いったいどう考えたらいいものか途方に暮れて、こっちが....