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動静
「動静〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
動静の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
れるし、――」
洋一は父の言葉を聞くと、我知らず襖《ふすま》一つ向うの、病室の
動静に耳を澄ませた。そこではお律《りつ》がいつもに似合わず、時々ながら苦しそうな....
「或る女」より 著者:有島武郎
ある事を感じた。葉子は倉地と思っただけで、不思議な憎悪《ぞうお》を感じながらその
動静に耳をすました。倉地は台所のほうに行って愛子を呼んだようだった。二人《ふたり....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
こでいよいよ松山虎夫変死事件の詮議がはじまることとなった。帆村探偵は、松山たちの
動静につき、その夜見ていたままを、雁金検事と、河口捜査課長とに説明した。それはこ....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
電車にのっていたのは、一寸偶然とは考えられない。実は先刻部下に命じて置いた龍子の
動静報告がきた上で、もすこし詳しく考えてみたい。…… 大江山警部は電話のある室....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
かね。僕はさっき言ったように、情夫とおみねの実演だと思うよ。とにかく、他の連中の
動静も多田刑事に調べにやったからもう直ぐ判るだろう」 その話の半ばへ、噂の多田....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ず、太平洋の底に送り込もうというのであった。 航空母艦から飛び出して、敵艦隊の
動静を窺っていた両軍の偵察機隊が、定石通りぶっつかって行った。真先に火蓋を切った....
「赤外線男」より 著者:海野十三
の室内を活動写真に撮る。つまり肉眼で見えぬ光線を室内に送って置いて、室内の人々の
動静を赤外線映画に収めてしまう。斯うすれば、その中で怪し気な行動をする者がフィル....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ず不可能だと思われた。学士が潜入した目的は云う迄もないことだが、怪人物辻川博士の
動静を探るとともに、邸内の秘密を偵察するにあった。まかり間違えば生命を失う決心を....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
の方が圧倒されるくらいのものであった。 型の通りの訊問があった後、昨夜のお末の
動静を訊ねたところ、 「夕刻の六時にお暇を頂きまして、それから河田町にございます....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
つけて考えるほどの突飛さを持ってはいなかった。そして次は一転して、四方木田鶴子の
動静について調査を始めたが、これとて千早館と田鶴子とを結びつけてのことではなく、....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
蒐集官たちは、決って、将軍から同じ趣旨の質問を受けるのだった。 「おい、金博士の
動静についてのニュースはないのか。すくなくとも一巻のニュース映画になるくらいのも....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
上にしがみついたまま生きた色もない。 貝谷は、積みあげたロップの蔭から、猛獣の
動静をじっと見守っている。 その後で、古谷局長は、しきりに智慧をしぼっていたよ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
られたと思ったろう。幼いものは、驚破というと自分の目を先に塞ぐのであるから、敵の
動静はよくも認めず、血迷ってただ燥ぐ。 左右を※して、叱りもしない、滝太郎の涼....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
であり、現象は動的である。その動的の方面を現象とし、静的の方面を実在とするので、
動静不二、両者は全然同一体の両方面に過ぎないのであるが、思想家によっては単に動の....
「迷信解」より 著者:井上円了
く、急に逃げ去り、われとどまれば彼もまたとどまり、われ行けば彼もまた行きて、わが
動静をうかがいおるもののごとく、その様子われを軽蔑するように見ゆれば、われ大いに....