勘亭流[語句情報] » 勘亭流

「勘亭流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勘亭流の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
た。壁が崩れ落ちたと思うところに、日章旗《にっしょうき》を交叉《こうさ》した間に勘亭流《かんていりゅう》で「祝開店、佐渡屋さん」と書いたびらをつるして隠してある....
石狩川」より 著者:本庄陸男
している木の香の新しい家が、市街地をひろげていた。深い軒のおくに、下手《へた》な勘亭流の文字を書きだした酒屋などが表通りに目立った。 ここからの陸路を左に取れ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りゃ太夫が引立たねえや。さあさあ、殿様の曲芸、米※様《べいふつよう》の筆を以て、勘亭流《かんていりゅう》の看板をお書きになろうとする小手先の鮮《あざや》かなとこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「所作事《しょさごと》、道成寺入相鐘《どうじょうじいりあいのかね》」――怪しげな勘亭流《かんていりゅう》、それを思い切って筆太に書いた下には、鱗《うろこ》の衣裳....
小説 円朝」より 著者:正岡容
薄黄色い灯影を先へ行く師匠の足許のほうへ送りながら、見るともなしに提灯を見ると、勘亭流擬いの太いびら字で「三遊亭」と嬉しく大きく記されてあった。 ああやっと弟....
丸の内」より 著者:高浜虚子
震災ずっと以前のことであった。今はもう昔がたりになったが、あの小さい劇場の有楽座が建ったはじめに、表に勘亭流の字で書かれた有楽座という小さい漆塗りの看板が掛っていたのに、私は奇異の眼....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
といってよい。 実用の点からいえば、江戸以来の番附はあまり便利なものではない。勘亭流の細字で役割を記してあるのがかなり読みにくい上に、古来の習慣として“捨役”....
すみだ川」より 著者:永井荷風
で来ると、蘿月は間《ま》もなく並んだ軒燈の間に常磐津文字豊《ときわずもじとよ》と勘亭流《かんていりゅう》で書いた妹の家の灯《ひ》を認めた。家の前の往来には人が二....