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勘弁
「勘弁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勘弁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
とした。
「それだから喧嘩になるんじゃないか? 一体お前が年嵩《としかさ》な癖に
勘弁《かんべん》してやらないのが悪いんです。」
母は洋一をかばいながら、小突く....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
料のうち過剰の分をも諸君に返済せねば無償ということができぬのですが、それはこの際
勘弁していただくことにしたいと思います。
なおこの土地に住んでいる人の中にも、....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
たに色々御無念な処もありましょうけれど、どうぞ政夫さん、過ぎ去った事と諦めて、御
勘弁を願います。あなたにお詫びをするのが何より民子の供養になるのです」 僕はた....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
おとよが勝手我儘な私心一つで飽くまでも親の意に逆らうと思いつめてるからどうしても
勘弁ができない。ただ何といってもわが子であるから仕方がなく結末がつかないばかりで....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
えとは何でえ。こッこの棒くい野郎奴」 「……」 「だッ黙ってるな。いよいよもう、
勘弁ならねえ、こッ此の野郎ッ」 どおーンと突き当ったのはいいが拳固を振り下ろす....
「火星探険」より 著者:海野十三
を鼻にうけ、鼻血を出したのであった。 「おお、日本の少年君、すまんことをしたね。
勘弁してくだされ。さぞ痛むことじゃろう」 博士も山木を抱くようにして、自分の失....
「火薬船」より 著者:海野十三
たのであった。 巨人ハルクは、ゴリラの如く、いかった。 「な、生意気な! もう
勘弁がならないぞ!」 と、大木のような両腕をまくりあげて、じりじりと前へ出てく....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
したわ。御免なさい、おりくさん、お詫をして頂戴な。 りく お気に障りましたら、御
勘弁下さいまし。 撫子 飛んでもない。お辞儀なんかしちゃあ不可ません。おそのさん....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
を当てて打咳き、 「ええ、混雑いたしまして、どうも、その実に行届きません、平に御
勘弁下さいまして。」 「いいえ。」 「もし、あなた様、希有でござります。確かたっ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れというのも皆神様のお蔭……これから仲よく暮しましょう……。』 『俺が悪かった、
勘弁してくれ。』 『お前もこれからわたしを可愛がって……。』 二人は涙ながらに....
「暗号数字」より 著者:海野十三
説明すると、私どもの役所が使っている重要な情報網の秘密を洩らすことになりますから
勘弁してください。しかしこれは十分|信憑すべきものであることを断言します。この□....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ったろう。 が、馬琴には奇麗サッパリと譲ってやる襟度が欠けていた。奉公人にさえ
勘弁出来ないで、些細な不行届にすら請人を呼び付けてキュウキュウ談じつけなければ腹....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
かって怒り出しちまってね。おいささん、怖くなっちまって、肴に蟹やるから、酒だけは
勘弁してくろッちわけでね、なんでも蟹二つ三つ、籠から出して神様に食わせて、ようや....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
した、失敬した、アレは美妙が書いたんだってね、君かと思ったのでツイ失敬した、まあ
勘弁してくれたまえ、」と気の毒そうにいった。鴎外は向腹を立てる事も早いが、悪いと....
「活人形」より 著者:泉鏡花
有にはならず、千円という大金、今といっては致方がございません。どうぞ暫時の処を御
勘弁。「うんや、ならねえ。この駄平、言い出したからは、血を絞っても取らねば帰らぬ....