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勝って
「勝って〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勝っての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
って見せる』と云ったそうです。そうして、実際三度どころか、九度《くたび》も戦って
勝っているです。私に云わせると、それが卑怯《ひきょう》だと思うのですな、自分の失....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
訣《わけ》じゃ?」
「数馬は切《き》り紙《がみ》でござりまする。しかしあの試合に
勝って居りましたら、目録を授《さずか》ったはずでございまする。もっともこれは多門....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
も、悲しくなる気づかいはないと思っていた。そういう心もちになるには、あまり形式が
勝っていて、万事がおおぎょうにできすぎている。――そう思って、平気で、宗演老師の....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
た事にされるから暑いのを我慢して、少し議論をした。どうせ暇つぶしにやる議論だから
勝っても負けても、どちらでも差支えない。その中に赤木は、「一体支那人は本へ朱で圏....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
りか、とうとうしまいには、あの金貨とほぼ同じほどの金高《きんだか》だけ、私の方が
勝ってしまったじゃありませんか。するとさっきの人の悪い友人が、まるで、気違いのよ....
「或る女」より 著者:有島武郎
べての事に飽き足《た》った人のように、また二十五年にわたる長い苦しい戦いに始めて
勝って兜《かぶと》を脱いだ人のように、心にも肉にも快い疲労を覚えて、いわばその疲....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の心が美しかったからではない。君の絵がなんといっても君自身に対する私の反感に打ち
勝って私に迫っていたからだ。 君がその時持って来た絵の中で今でも私の心の底にま....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
術の主題となるか。芸術は愛の可及的純粋な表現である。そして恋愛は人間の他の行為に
勝って愛の集約的な、そして全体的な作用であるからだ。 × 試み....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
め合った。仁右衛門はそういう私語《ささやき》を聞くといい気持ちになって、いやでも
勝って見せるぞと思った。六頭の馬がスタートに近づいた。さっと旗が降りた時仁右衛門....
「星座」より 著者:有島武郎
なしに育ってきた娘がいったいあるものだろうか。新井田の奥さんの方が顔の造作は立ち
勝っているかもしれないが……待てよそういちがいにはいえないぞ。第一こっちはまるで....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
及びその衛星へ推移するようなそういう特定の進化期間では、この集合させる方の諸力が
勝っている。しかし、いつかある日には、この離散させる力の方が優勢を占めるようにな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に扮る誰かだ、と立騒いだ。 主税がまた此地へ来ると、ちとおかしいほど男ぶりが立
勝って、薙放しの頭髪も洗ったように水々しく、色もより白くすっきりあく抜けがしたは....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
郎で、聞覚えの京言葉を、茶の子でなしに噛りましたが、娘か、と思ったほど、人がらが
勝っている。…… 通力自在、膳も盃洗もすぐ出る処へ、路之助が、きちんと着換えて....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
る。 二人を前に、銚子を控えて、人交ぜもしなかった……その時お珊の装は、また立
勝って目覚しや。 十九 宝の市の屋台に付いて、市女また姫とも称う....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
その時分から旦那が嫌いだったかも知れないよ。でも大方甘やかされた癖で、我儘の方が
勝ってたのであろうと思う。 そのうちお祖父さんも安心をなすったせいか、大層気分....