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勝つ
「勝つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勝つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
始めた。その中にまた、狩犬がけたたましく、血に飢えた声を響かせて、戦いはいずれが
勝つとも、しばらくの間はわからない。そこへ一人、裏へまわった仲間の一人が、汗と埃....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
独り語《ごと》を洩らした。
「この国の霊と戦うのは、思ったよりもっと困難らしい。
勝つか、それともまた負けるか、――」
するとその時彼の耳に、こう云う囁《ささや....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
その夜に限って、ふだんは格別|骨牌《かるた》上手でもない私が、嘘のようにどんどん
勝つのです。するとまた妙なもので、始は気のりもしなかったのが、だんだん面白くなり....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
つながら感じている。ただ、幸いにしてこの市《まち》の川の水は、いっさいの反感に打
勝つほど、強い愛惜《あいじゃく》を自分の心に喚起してくれるのである。松江の川につ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ん》や殺戮《さつりく》を喜ぶなどは、――尤《もっと》も相手を絞め殺すことは議論に
勝つよりも手軽である。
我我は互に憐まなければならぬ。ショオペンハウエルの厭世....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
取と自由が保守と執着に組みつき、新らしき者が旧き者と鎬《しのぎ》を削《けず》る。
勝つ者は青史の天に星と化して、芳《かん》ばしき天才の輝きが万世に光被《こうひ》す....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
優秀な武力が一挙に決戦を行ない得るからである。 以上の如く、われらが最終戦争に
勝つための客観的条件は固より楽観すべきではないが、われらの全能力を総合運用すれば....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ので、自然、代官婆の目にもとまっていて、自分の容色の見劣りがする段には、美しさで
勝つことはできない、という覚悟だったと思われます。――もっとも西洋|剃刀をお持ち....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
仇なのではないか。ただその敵に勝てば可いのだ。私は、この強さ、力、威あるがために
勝つ。閨にただ二人ある時でも私はこれを脱ぐまいと思う。私の心は貴女を愛して、私の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
」 「もっとも、一所に道を歩行いていて、左とか右とか、私と説が違って、さて自分が
勝つと――銀座の人込の中で、どうです、それ見たか、と白い……」 「多謝。」 「逞....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
「上へのっけられたより、扇で木魚を伏せた方が、女が勝ったようで嬉しいよ。」 「
勝つも負けるも、女は受身だ。隠すにも隠されましねえ。」 どかりと尻をつくと、鼻....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ってみました日には、当になりはいたしません。しかしまあ何でございますね、前触が皆
勝つことばかりでそれが事実なんですから結構で、私などもその話を聞きました当座は、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
行くことにして、そして一月がわりにするの。可いかい、怨みっこ無しに冥利の可い方が
勝つんだよ。」 「おや、お嬢様、それでは客と食物を等分に、代り合っていたします。....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
、そんなことがいまさら何の弁明になろう。戦争が始まつてからのちの私は、ただ自国の
勝つこと以外は何も望まなかつた。そのためには何事でもしたいと思つた。国が敗れるこ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
汰のごとき、一般にこれを馬耳東風に付し去るの有様なりき。 すなわち彼等は長州が
勝つも徳川が負くるも毫も心に関せず、心に関するところはただ利益の一点にして、或は....