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「勝味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勝味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
読書法」より 著者:戸坂潤
的なのか、という口吻である。併しテキストに関する論争としては、素人の眼から見て、勝味は畠中氏の方に多いように見えるのであって、畠中氏は今月号(一九三四年九月)の....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
出して終《しま》った。あの様な見崩れ人種が大将では、義朝や悪源太が何程働いたとて勝味は無い。鞭声《べんせい》粛々夜河を渡った彼《か》の猛烈な謙信勢が暁の霧の晴間....
火星兵団」より 著者:海野十三
である。 「とても、警官隊ではだめです。兵隊さんに出かけてもらわなくては、とても勝味がありません」 と、心細い報告が大江山課長のもとへ、届いたのであった。 「....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ると判断はつけられまい」 「そりゃわかりきった問題だ、謙信に対する信長は、いつも勝味《かちみ》がなかった、謙信は信長を呑みきっていた、信長はたえず威圧されて怖れ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はこちらの方が予備感覚のあっただけに、認められることが遅く、認めることが早かった勝味はありました。 先方の当の主はおそらく、こちらが何者であるかということは突....
微笑」より 著者:豊島与志雄
私は次の火曜を待ちわびた。 火曜の晩、坂口を訪れて碁を囲んでいると、私の方が勝味が多かった。「幸先《さいさき》がいい」と私は思った。そして十二時になるとすぐ....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
た。 オレがヒメに自然に見とれてしまったことは、オレがどのようにあがいても所詮勝味がないように思われたが、オレは是が非でも押し返して、怖ろしいモノノケの像をつ....
文化祭」より 著者:坂口安吾
するにまたバス代の立てかえをさせられるのが天の定めであろう、とても芋との合戦には勝味がないと悟って、やめにしたのである。....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
いだけ、イキがいいし、目ざましい。この殺人事件を法廷で争うと、とても通人の旦那に勝味はない。 由起しげ子さんの話によると、彼女の良人たる(あるいは離婚せるやを....
花咲ける石」より 著者:坂口安吾
い。犬の身体は柔軟でよく回るから、素手で組みつくと、どう組み伏せても噛みつかれて勝味がない。小さいながらも房吉はとッさに思案した。敵のお株を奪うに限ると考えて、....
千人針」より 著者:寺田寅彦
。戦争でなくても、これだけの心尽くしの布片を着込んで出で立って行けば、勝負事なら勝味が付くだろうし、例えば入学試験でもきっと成績が一割方よくなるであろう。務め人....
次郎物語」より 著者:下村湖人
級中第一の評があり、大山のそれとはいい対照をなしていた。勝負では次郎の方にいつも勝味があったが、しかし次郎本人は、却って大山の太刀筋をうらやましくも思い尊敬もし....
競漕」より 著者:久米正雄
た窪田の肚であった。それでもいくら舵だって相応な熟練は要る。一刻でも早く定まれば勝味が増すわけである。窪田は艇の経験ある学生を二三人心で数えて見た。そして熟考の....
戦争について」より 著者:黒島伝治
たり殺されたりするのだ。彼等は殺気立ち、無鉄砲になり、無い力まで出して、自分達に勝味が出来ると、相手をやっつけてしまわねばおかない。犬喧嘩のようなものだ。人間は....
烏恵寿毛」より 著者:佐藤垢石
業内田百間は、借金の達人であるときいているが、彼とわが輩と対局しても、万が一彼に勝味があろうとは思わぬ。わが輩の腕前の方が筋がよろしいという自信を、固く持つ。 ....