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勝手元
「勝手元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勝手元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「五月の朝の花」より 著者:岡本かの子
がえるがよちよちしている。 お! 八百屋が、大きな玉菜とオレンジを運んで来た。
勝手元の方へ知らせてやろう。....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、内から掛けてある締りをいちいち調べて廻ったが、どこも皆ちゃんと掛っていた。ただ
勝手元の床の上に、葉が黄色く枯れた水仙を差して置いた花筒が見えない。よく見ると、....
「振動魔」より 著者:海野十三
盗ませて入っていったのだった。ところが茶の間にはお芳の姿が見えなかったばかりか、
勝手元までがピッシャリ締めてあり、座蒲団の位置もキチンと整頓していて、シャーロッ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
は知らないということでした。百合子と一緒に働いていたお手伝いさんは、百合子が別に
勝手元を離れたことはなかったようだと証言しました。しかし嫂が私室へ入るのを見たと....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
「おい、おつる」亀さんが、暗い露路から声をかけた。 「どうなったい、お前さん」
勝手元に働いていた女房のおつるは、十|燭の電灯を逆光線に背負って顔を出した。 「....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
、わし達は、目的の家の前へ来たのだった。 わしは、連れを促して、裏手に廻った。
勝手元の引戸に、家の割には、たいへん頑丈で大きい錠前が、懸っていた。わしは、懐中....
「わが町」より 著者:織田作之助
じられたのかもしれず、つまりはひがみだったろうか。 やがてそわそわと立ち上り、
勝手元へ出てみると、義枝はしきりに竈の下を覗いていた。新聞紙を突っ込み、薪をくべ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
なっている間、そこからどこへも動かれなかったんですか、例えば小林の後を追いかけて
勝手元へ行ってみるとか、或いは又、小林の部屋へ入ってみるとか、そんなことはなかっ....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
て、俄然猖獗を極めた。まず起きぬけに、電灯の笠をがちゃーんとやったのを手始めに、
勝手元ではうがいのコップを割り、それから旦那様の部屋にいって灰皿を卓子のうえから....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いた。 陽気で派手でお祭り気分で、ワーッといったような雰囲気であった。 その
勝手元へ姿を現わしたのは、浮かない顔をした陣十郎であった。 「これはいらっしゃい....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
という身分でもなかったが、和田の家は代々こころがけのいい主人がつづいたので、その
勝手元はあまり逼迫していなかった。家内は夫婦と忰と、ほかに中間の久助、女中のお島....
「おせん」より 著者:邦枝完二
にかけた古い浅黄のきれをはずすと、火口箱を引き寄せて、鉄の長煙管をぐつと銜えた。
勝手元では、頻りにばたばたと七|輪の下を煽ぐ、団扇の音が聞えていた。 その団扇....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
は主公自ら手を延ばして物を調べると同一の結果を得るからで、言はゞ居間から玄関又は
勝手元へ届く様な手を言ふことであらう。 と説いておられる。まことに面白い解釈で....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いうことで、その駅へ書物を借りに行くという始末。その間私は坐禅をやって居りますと
勝手元の方で非常に女の泣声がする。どうも奇態だ、何か喧嘩でもして居るのかと思って....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
っさりと応じたのかもしれず、つまりはひがみだった。 やがてそわそわと立ち上り、
勝手元へ出てみると、義枝はしきりに竈の下を覗いていた。新聞紙を突っ込み、突っ込み....