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「勢子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勢子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
父親は、その度《たんび》に母親をなだめて、お島を赦《ゆる》してくれた。 「多勢子供も有《も》ってみたが、こんな意地張《いじっぱり》は一人もありゃしない」母親....
芽生」より 著者:島崎藤村
ホッと私達は溜息《ためいき》を吐《つ》いた。 小児科のことで、隣の広い室には多勢子供の患者が居た。そこには全治する見込の無いものでも世話するとかで、死後は解剖....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
えてから先師没後の門人に加わり、婦人ながらに勤王の運動に身を投じようとする松尾多勢子のような人も出て来た。おまけに、江戸には篤胤大人の祖述者をもって任ずる平田|....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だちが書いてよこすことはくわしかった。景蔵には飯田の在から京都に出ている松尾|多勢子(平田|鉄胤門人)のような近い親戚の人があって、この婦人は和歌の道をもって宮....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、いろいろと斡旋紹介の労をいとわなかった。文久年代に上京した伊那|伴野村の松尾多勢子、つづいて上京した美濃中津川の浅見景蔵、いずれもまず彼のもとに落ちついて、伊....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
人ながらに国学者の運動に加わって文久年代から王事に奔走した伊那伴野村出身の松尾多勢子の名もその参列者の中に見いだされた。香蔵の筆はそうこまかくはないが、きのうは....
」より 著者:島崎藤村
り消えたりした。二人が腰掛けている涼台から、その光を望むことが出来た。三吉は、多勢子供を失ってから、気に成るという風で、時々自分の家の内を覗きに行って、それから....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
がって、本式の狩猟のこしらえでお出ましになる。まわりには居候や、犬や、犬飼いや、勢子《せこ》などが居並んでいるが、みんな馬に乗っている。ぐるりには、召し使いども....
林檎」より 著者:豊島与志雄
「私は東京の本郷の、根津権現の裏手に住んでいますが、あの根津様の中では、いつも大勢子供が遊んでいます。私は子供が大好きでしてね、子供達の遊ぶ所を見るのが、何より....
叔父」より 著者:豊島与志雄
――といっても二ヶ月に一度くらい――中野さんの家にやって来た。 中野さんには大勢子供があった、男の子や女の子が。そして皆、中野さんに似て不綺麗《ぶきりょう》だ....
狐火」より 著者:豊島与志雄
の開扉を閉めさした。そして彼へしきりに酒を勧めながら、町へ行ってる息子にはまだ大勢子供がいるから大事ないとか、いつまでも死んだ子のことを考えるには及ばないとか、....
香熊」より 著者:佐藤垢石
て北海道へ押し渡り、アイヌの名射手三名に内地人の猛獣狩り専門家二名を加え、それに勢子二十人ほど集めて、苫小牧の奥、楢前山の中腹へ分け入り、今熊狩りの最中だ。四月....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
どはリレー式で追跡しようということになった。畔道に三十間ばかりずつ間隔を置いて、勢子の四人は立ったのである。そこで、また帰ってきた親蜂に斜酣は真綿をくわえさせた....
かもじの美術家」より 著者:神西清
を覗きこんでいるのでした。 はいって来た七人の男は、みんな伯爵の狩のお供をする勢子の面々で、手に手に分銅のついた棍棒だの、長い鞭だのをもち、腰帯には犬綱をさげ....
挿話」より 著者:徳田秋声
人は川の縁へ出てきた。道太が小さい時分、泳ぎに来たり魚を釣ったりした川で、今も多勢子供が水に入っていた。岸から綸を垂れている男もあった。道太はことに無智であった....