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「勾玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勾玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
がたに腰を卸しながら、余念もなく笛を吹いていますと、たちまち自分の目の前へ、青い勾玉《まがたま》を沢山ぶらさげた、足の一本しかない大男が現れて、 「お前は仲々笛....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
しかった。その若者は彼と同じ市松の倭衣《しずり》を着ていたが、頸《くび》に懸けた勾玉《まがたま》や腕に嵌《は》めた釧《くしろ》などは、誰よりも精巧な物であった。....
高山の雪」より 著者:小島烏水
その両端の垂下力が遅く、中央が速いためか、第二期には三日月形に歪み、更に拡大して勾玉《まがたま》形になって来ている。中には勾玉形が、岩石の硬軟その他の関係から、....
南島譚」より 著者:中島敦
いものにしていた。此の男は、恐らく、島一番の貧乏人であったろう。ウドウドと称する勾玉《まがたま》の様なものがパラオ地方の貨幣であり、宝であるが、勿論、此の男はウ....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
の息蒸《いきれ》の匂いが何処からともなくする、二合五勺に辿り着いた頃には、近くは勾玉《まがたま》状に光れる山中湖と、その湖畔の村落と、遠くは函根足柄を越えて、大....
日輪」より 著者:横光利一
ながら、渦巻く蔓の刺青を描いた唇を泉につけた。彼の首から垂れ下った一連の白瑪瑙の勾玉は、音も立てず水に浸って、静かに藻を食う魚のように光っていた。 ....
古事記」より 著者:太安万侶
り、その左右の髮の輪にも、頭に戴かれる鬘《かずら》にも、左右の御手にも、皆大きな勾玉《まがたま》の澤山ついている玉の緒を纏《ま》き持たれて、背《せ》には矢が千本....
銀河の下の町」より 著者:小川未明
も住んでいたのですね。それはそうと、なにかこのあたりで、おもしろい土器の破片か、勾玉のようなものを拾った話をききませんか。」と、紳士はたずねました。 「僕、勾玉....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
たのを今迄夫とも気が注かずにいたのだ。広さは十坪位で一間位の深さはある。形は稍や勾玉に似ている。其の一端が雪田の方に開いて、其処から滲み出したちょろちょろ水は、....